Monday, March 30, 2015

3/31 世代間討論「戦後70年を問う:戦後思想の光と影」@東京恵比寿・日仏会館

日仏会館人文社会系セミナー公開討論会

2015年3月31日(月)午後6時~9時
東京恵比寿・日仏会館5階501会議室(定員40名)

世代間討論「戦後70年を問う:戦後思想の光と影」

下記の二著をめぐる合評討論会
・樋口陽一『加藤周一と丸山眞男 日本近代の〈知〉と〈個人〉』平凡社、2014年
・白井聡『永続敗戦論 戦後日本の核心』大田出版、2013年

講師 樋口陽一(日本学士院)、白井聡(文化学園大学)
発題者 山元一(慶應義塾大学)、伊達聖伸(上智大学)ほか
司会 三浦信孝(中央大学)

こちらは事前登録が必要です: 日仏会館ウェブサイトのトップページの「イベント参加登録」からアカウントを作成し、事前申し込みをお願いいたします。インターネットを利用していない方はファックス(03-5424-1200)または電話(☎
03-5424-1141)にて参加登録をお願いいたします。

3/28 パリ連続テロ事件と「イスラム国」の衝撃 その後の中東と日本@中央大学

中央大学人文科学研究所公開研究会

パリ連続テロ事件と「イスラム国」の衝撃
その後の中東と日本

2015年3月28日(土)午後1時~4時
中央大学駿河台記念館 620号室(定員60人)
     JR中央・総武線 御茶ノ水駅下車、徒歩3分
     東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅下車(B1出口)、徒歩3分
     東京メトロ丸ノ内線 御茶ノ水駅下車、徒歩6分
<http://www.chuo-u.ac.jp/access/surugadai/>http://www.chuo-u.ac.jp/access/surugadai/

西谷 修(立教大学)「シャルリ・エブド事件はフランスの9・11か」
酒井啓子(千葉大学)「イラク戦争後の中東、アルカイダから「イ
 スラム国」へ」
臼杵 陽(日本女子大学)「背後にあるイスラエル・パレスチナ問題」
司会・三浦信孝(中央大学)「フランス知識人界の思想地図」

参考資料
 西谷 修  栗田禎子との討議「罠はどこに仕掛けられたか」現代思想臨増号*
 酒井啓子「シャルリー・エブド事件が浮き彫りにしたもの」世界2015年3月
  「それは誰のイスラームなのか」現代思想臨増号
  「憧れるフランス、憎むフランス」ふらんす特別号**
 臼杵 陽 インタビュー「「イスラーム国」を読み解く」現代思想臨増号
  「イスラームという名のテロリズム」現代思想臨増号
 三浦信孝「フランスの1・11 は 9・11 を反復しない」ふらんす特別号
 * 『シャルリ・エブド襲撃/イスラム国人質事件の衝撃』 2015/2/25刊
  **『シャルリ・エブド事件を考える』2015/3/11刊

Sunday, March 22, 2015

【クリップ】日本の大学入試はフランスに170年遅れている!

説明の必要はないと思いますが、これは単なる情報提供です。私がこの意見に賛成か反対か、どのように、いかなる点で、どの程度まで賛成か反対か、というのはまったく別次元の問題です。hf


***


日本の大学入試はフランスに170年遅れている!



画像
フランスの大学入試制度は日本と大きく異なる。写真はソルボンヌ大学Photo:puku/PIXTA
● 高校生にハンナ・アーレントを 解説させる仏のバカロレア

 以前のコラムで、大学入試の制度改革にあたっては、マークシート式の知識偏重型から知識を総合的に運用する論述型の試験に切り替えるべきと申し上げました。フランスのバカロレアは、そのままの形で日本に輸入することは難しいですが、日本のセンター試験と異なり、ほぼすべてが論述形式で執り行われるところ等は大いに参考になります。

 ここでフランスのバカロレアのあらましに簡単に触れたいと思います。バカロレアとは、中等教育修了認定資格と大学入学資格を付与する試験です。創設されたのはナポレオン1世が統治していた1808年にさかのぼります。貧しい貴族の家に生まれ、一代で皇帝に上り詰めた英雄らしく、人材を発掘するために導入した経緯があります。

 日本で知られているバカロレアは、このナポレオンの時代からの大学入学資格を与える「普通バカロレア」のことですが、第2次大戦後にできた、専門職を対象にした技術バカロレア、進学をしない高卒資格付与の「職業バカロレア」もあります。フランスではバカロレアを取得できなければ、待遇のいい仕事に就けないと言われているので、良い点を取るためにあえて留年する高校生も大勢いるそうです。

 今回は大学入試の参考例としての紹介なので、普通バカロレアの話に絞ります。普通バカロレアは資格を取得すると、フランスの全土のどの大学にも入ることができます。

 センター試験と同じく、高校の最終学年の生徒が全国一斉で受ける図式は同じですが、マークシートで機械的に回答させる我が国のそれと全く異なり、バカロレアは論述式です。しかも面白いことに、3種類のバカロレアのいずれも最初に受ける科目が「哲学」というのがお国柄です。

 哲学では受験生は4時間をかけて回答します。ちなみに2014年の出題は3問。経済社会系向けの問1は「自由になる選択権があるだけで十分か? 」、問2は「なぜ自分自身のことを知ろうと努めるのか? 」と、それぞれ論述させ、問3では、私の敬愛するハンナ・アーレント『人間の条件』を解説させたというので驚きました。

● 仏で“知識偏重”が 問題視されたのは19世紀! 

 一方、日本で高校生が学ぶ哲学といえば、社会科の倫理や歴史の授業の文化史。それも入試では人物や著作、理論の名前の暗記力を確認しているのです。

 フランスでは数学も答えが1つではなく、そのプロセス、ロジックをむしろ評価するそうで、「考え抜く」力を明らかに重視していることが分かります。

 歴史の問題も同様に論述をさせますし、物理・化学は口述があります。

 歴史に関しては、日本の国立大学の2次試験のような趣ですが、バカロレアの歴史は4時間、東大は2時間半ですから、論述の量、深さにおいて、要求されるレベルの高さがうかがえます。しかも、これを日本で言えばセンター試験のように全国一斉で問うているのです。

 ただし、面白いのはバカロレアも最初から現在のような知識運用の論述型になったわけではないということです。今回の視察ではバカロレアを統括する国民教育・高等教育・研究省の高官から「フランスでも時間をかけて改革してきた」という趣旨の興味深い話を聞くことができました。

 帰国後に関連資料にも当たってみましたが、創設から10年余りの頃のバカロレアは口述式で、1830年になって論述式が採用された歴史があります。しかし、その口述も当初の論述も細かな知識を問う形式でした。そこで1840年に当時の文相がバカロレア改革に乗り出しました。その通達には次のようなことが書かれています。

 「順序や説明もなしに細かく詳しい事実をつめこむ教育や、知性よりも記憶に頼るような教育からは距離を取らなければならない」――まるで今日の日本の大学入試制度が直面している課題と同じであることに「フランスも苦労してきたのだな」と思います。

 同時に、この通達が出された時期、日本はまだ江戸時代の天保年間であることで、改めて教育大国フランスの伝統に圧倒されました。ちなみに1840年というのは大塩平八郎の乱から3年後、時の将軍は11代家斉、老中は「天保の改革」でおなじみの水野忠邦。ペリーが黒船で浦賀に乗り込むまでまだ13年の時を要するという段階です。

 もちろんバカロレアが知識偏重型から知識運用型にスムーズに移行できたわけではありませんでした。19世紀中盤には高校の知識レベルを超えた出題もされる等、その時の文相が「記憶力の体操」と揶揄するくらい、知識偏重への寄り戻しがあったそうです。第2次大戦後になって、問題づくりの主導権を大学教員から高校教員に段階的に移していきながら、90年代後半に入り、平均的な知識の理解を問う現在の形式に改まっていきました。

● 詰め込みでは養われない「メタ認知」能力 ピケティの名前を言えるだけではダメ

 さてフランスでは、先述したようにOECD本部も訪れ、教育・スキル局のシュライヒャー局長らと新しい教育モデルについて政策対話を行ってきました。

 俎上に載ったのは、テクノロジーの進歩に伴う、社会で求められる人々の職業的スキルの変化と、それに教育がどう対応するかです。

 シュライヒャー局長との政策対話で出てきたキーワードの一つが「メタ認知」です。自分自身の認知活動を客観的にとらえ、評価し、コントロールする力のことを言いますが、メタ認知力の高い人は、複数の事象を目の当たりにしたとき、具象と抽象を自由自在に認識しながら、共通した要素を見抜けます。

 イノベーションを起こすような人材は、このメタ認知能力が高いと言えます。特に日本人が得意とする改良型のイノベーションではなく、全く新しいものを提案する非連続型のイノベーション、それこそアップルのジョブズのような革命的製品を生み出すのは、分かりやすい事例といえます。

 もちろん、皆がジョブズになれるわけではありませんが、ウェブが広がり、情報量が爆発的に増える現代社会にあっては、“ググれば”(グーグルで検索すれば)誰でも容易に知識が手に入ります。ですから時事問題で、ピケティの名前や著書の名前を言えるだけではダメで、ピケティの突きつけた格差論の意義とは何か、日本にそれが当てはまるのか、といった問題点を自分なりに整理し、「自分の言葉」で語れるようでなければ、本当に知識を使いこなしているとはいえないのです。

 そして、そうした知識の使い方は、工業化社会時代の“名残”といえる詰め込み型の教育では身に着きにくいのです。

● 2030年に必要な能力とは?  「科挙型教育」からの脱却を

 メタ認知能力があると、環境ががらりと変わったり、全く新しい分野に向き合ったりしたときの適応能力が違います。

 工業化社会から情報知価社会に大きくシフトしてきたこの10年、社会において新しい職業が続々と誕生してきました。今の20代、30代の人たちが就いている職業、たとえばビッグデータを分析するデータサイエンティストのような仕事は、彼らが子ども時代には影も形もありませんでした。2015年に生まれた子どもが大学を卒業する頃、彼らが就活で志望する職業もまた、私たちの目の前に存在しないものがあるはずです。

 OECDと討議した教育モデルは、2030年を想定しています。今の中学3年生が15年後に30歳になる頃には、ロボットが家事や介護、あるいは車の自動運転など社会のあらゆるところに進出しているのは間違いありません。人間がそれらの仕事を奪われる、もしくは解放されるようになれば、新たに出現した仕事を自分の力で見つけ、適応していかなければなりません。従来の「科挙型」教育にどっぷりつかり、固定観念を捨てきれなければ変化に対応できなくなるのです。

 時代の転換点に応じて、教育スタイルが変わった先例を挙げましょう。大河ドラマを引き合いに、吉田松陰先生の話を何度も持ち出して恐縮ですが、幕末の長州藩では藩校の明倫館はまさに四書五経の「科挙型教育」。一方、松下村塾では、若者たちが書を読み、松陰先生と議論を重ねた「熟議型」教育を受けていたからこそ、彼らは明治維新という「国家のイノベーション」を成し遂げられたのです。

 今はまだ「メタ認知」の話をしても、ピンと来ない親御さんや学校の先生方も多いかもしれません。しかし21世紀型の教育システムを作り上げていく今後十数年、次第に形となって表れてくると思ってください。

 振りかえれば、我が国の教育行政は、過去にも小学校に総合学習の導入をする等、知識を総合的に運用できるような試みを局所的に行ってきました。しかし、結局は大学受験のシステムが変わらないので、生徒も学校も「科挙型」の勉強に立ち戻らざるを得ませんでした。

 だからこそ、まずは大学入試の制度を変えることに、私も文科省も心血を注いでいるのです。そういう中での今回のフランス出張では、バカロレアの成り立ちや実際の運用について知り、国民教育・高等教育・研究省の担当者と意見交換できたことは、非常に参考になりました。今後我が国で取り入れられる要素、導入が難しい要素はどれか分析・整理し、新しい制度の提案に生かしたいと思います。

3/16-26 Séminaire CIPh de Yuji Nishiyama : "L’université comme architecture (ir)rationnelle de la philosophie"

L’université comme architecture (ir)rationnelle de la philosophie — Yuji NISHIYAMA 

18h30-20h30

Centre Parisien d’Études Critiques (CPEC), 37 bis rue du Sentier, 75002 Paris

Séminaire organisé en collaboration avec l’Université métropolitaine de Tokyo et Lire-travailler, Derrida (École Doctorale 540-ENS), et avec le soutien du Centre Parisien d’Études Critiques.

L’objectif de ce séminaire est d’analyser les relations conflictuelles entre différentes disciplines ainsi qu’entre les différents éléments qui constituent l’université, en partant d’un commentaire du Conflit des facultés de Kant et de Sur l’organisation interne et externe des établissements d’enseignement à Berlin de Humboldt. Cette année, à l’occasion des dix ans de la mort de Jacques Derrida, nous mènerons une réflexion sur les relations entre la pensée de la décon- struction et la question de l’éducation chez ce philosophe. Dans les années soixante-dix, Derrida fonde le GREPH pour lutter contre la suppression de l’enseignement de la philosophie et développe une recherche en collaboration sur les nouvelles possibilités de l’enseignement philosophique. Le GREPH se veut la continuation de divers mouvements, y compris la collaboration entre enseignants de lycée et à l’université. Il reçoit le soutien des étudiants et de leurs parents, ainsi que de nombreux encouragements de l’étranger, afin de proposer finalement d’étendre l’enseignement de la philosophie aux classes de collège. En 1979, Derrida, avec ses camarades, tient les États généraux de la philosophie à l’université de la Sorbonne. Ces activités créent un espace public de débat sur les possibilités modernes de la philosophie avec l’ensemble des citoyens, et réussit à mobiliser l’opinion publique contre le gouvernement. En 1983, Derrida contribue largement à la création du Collège international de philosophie, lieu où sont développées les possibilités interdisciplinaires de la philosophie. Le Collège est conçu comme un lieu où le droit d’apprendre et d’enseigner se voit relancé, et qui tout ensemble rend possible et remet en cause la philosophie.
La traduction japonaise Du droit à la philosophie dirigée par Yuji Nishiyama est précisément en cours de parution. Les séminaires auront lieu, en principe, avec la participation des traducteurs de ce livre.

Intervenants : 
-Lundi 16 mars : Gisèle Berkman (ancienne directrice de programme au Collège international de Philosophie)  Textes: "Titres" et "Coups d'envoi"  Commentaire: Kei Kiritani

-Jeudi 19 mars : Kazuisa Fujimoto (Université Waseda)  Textes: "Mochlos"​  Commentaire: Pierre Delan

-Lundi 23 mars : Hisashi Fujita (Kyusyu Sangyo University)​  Textes: "Les popularités"   Commentaire: Héctor González Castaño

-Jeudi 26 mars : Yoshinori Tsuzaki (Université de Tsukuba)​  Textes: "S'il y a lieu de traduire"  ​Commentaire: Elise Lamy-Rested

Saturday, March 21, 2015

3月下旬

3月19日(木)夜7時ごろCDG到着。RERでChâteletまで。メトロの11番に乗り換え、Hôtel de Villeへ。夜9時ごろホテル着。前夜に完徹し、飛行機の中でも仕事をし続けていたせいで、朦朧としていて、大好物を買いに出かけたものの、道に迷ってしまう。結局、1時間ほどかかり、買ってきたものも食べずに、そのまま寝てしまう。

3月20日(金)朝8時起床。午前中は仕事。メトロ11番でChâtelet、4番に乗り換えSt-Michelへ。
12時にArnaud FrançoisとAu père Louisで会食。仕事の打ち合わせ。
14時、Gibert Josephで文献収集。
●ベルクソン
-A. François, C. Riquier, C. Zanfi et N. Y. Kisukidi (éds.), Annales bergsoniennes, vol. VII, PUF, coll. "Epiméthée", octobre 2014.
-Giuseppe Bianco, Après Bergson. Portrait de groupe avec philosophe, PUF, coll. "Philosophie française contemporaine", février 2015.
●共同体論
-Jean-Luc Nancy, La Communauté désavouée, éd. Galilée, coll. "La philosophie en effet", mars 2014.
-Louis Lavelle, Le Moi et son destin, préface de Jean-Louis Vieillard-Baron, éd. Félin, coll. "Félin poche", février 2015.
●授業用(現代フランス哲学関係)
-David Lapoujade, Deleuze. Les mouvements aberrants, éd. Minuit, coll. "Paradoxe", octobre 2014.
-Emmanuel Levinas, Œuvres vol. 3: Eros, littérature et philosophie. Essais romanesques et poétiques, notes philosophiques sur le thème d'éros, éd. Grasset & Fasquelle, IMEC éditeur, octobre 2013.
-Jean-Paul Sartre, Réflexions sur la question juive (1954), Gallimard, coll. "Folio essais" n°10, août 2005.
●リクール
-Paul Ricoeur, Temps et récit: 1. L'intrigue et le récit historique (février 1983), éd. Seuil, coll. "Points Essais" n°227, octobre 1991.
-Paul Ricoeur, Temps et récit: 2. La configuration dans le récit de fiction (novembre 1984), éd. Seuil, coll. "Points Essais" n°228, octobre 1991.
-Paul Ricoeur, Temps et récit: 3. Le temps raconté (novembre 1985), éd. Seuil, coll. "Points Essais" n°229, octobre 1991.
-Paul Ricoeur, Soi-même comme un autre (1990), éd. Seuil, coll. "Points Essais" n°330, septembre 1996.
-Paul Ricoeur, Philosophie de la volonté: 1. Le Volontaire et l'Involontaire (1950), éd. Seuil, coll. "Points Essais" n°622, avril 2009.
-Paul Ricoeur, La critique et la conviction. Entretien avec François Azouvi et Marc de Launay (1995), Librairie Arthème-Fayard, coll. "Pluriel", avril 2013.

バス38番でChâteletへ。
15時、Katia Genelと久しぶりに。Café Zimmerにて打ち合わせ。バス21番でFeuillantinesへ。
17時、ENS・Salle PasteurでGiuseppe Biancoの新刊Après Bergson (PUF, février 2015)をめぐる研究会に出席、Frédéric Worms, Claire Marin, Anne Lefebvreをはじめ、懐かしい面々と再会。会の終了後、cocktailがあり(ブラジル人のMarcosと再会。ブラジル哲学について議論)、その後、Giuら数人と二次会へ(イタリア人のJean Wahl研究者Andreaらと、イタリア哲学について議論)。Piano Vacheで深夜まで。歩いてホテルまで帰る。そうなんだよ、歩こうと思えば全然歩けるんだよ。道を知ってる友人さえいれば。。

すごい開放=解放感。「変えられないものを受け入れる力、そして受け入れられないものを変える力をちょうだいよ」。

3月21日(土)朝11時起床。今日は一日、安ホテルにこもって仕事。

3月22日(日)朝8時起床。夕方まで仕事。夜、GSB、ALと会食&打ち合わせ。

3月23日(月)朝:仕事、昼:EDと会食&打ち合わせ、夜:セミナー。

3月24日(火)朝:仕事、昼:CRと打ち合わせ。
午後、Gibert Jeuneで文献収集。
●ベルクソン論
-Frédéric Worms et Camille Riquier (dir.), Lire Bergson, PUF, coll. "Quadrige Manuels", janvier 2011.
●授業用(古代哲学)・ソフィスト論
-Plotin, Traités 51-54, suivis de Sur la vie de Plotin et la mise en ordre de ses livres de Porphyre, traductions sous la direction de Luc Brisson et Jean-François Pradeau, éd. Flammarion, coll. "GF", mars 2010.
-Barbara Cassin, Jacques le Sophiste. Lacan, logos et psychanalyse, EPEL, février 2012.
-Les Sophistes I. Protagoras, Gorgias, Antiphon, Xéniade, Lycophron, Prodicos, L'Anonyme de Jamblique, Critias, présentations et traductions sous la direction de Jean-François Pradeau, éd. Flammarion, coll. "GF", septembre 2009.
-Les Sophistes II. Thrasymaque, Hippias, Euthydème et Dionysodore, Alcidamas, Discours doubles, présentations et traductions sous la direction de Jean-François Pradeau, éd. Flammarion, coll. "GF", septembre 2009.
●中世哲学
-Alain de Libera, La Mystique rhénane. D'Albert le Grand à Maître Eckhart (1984), éd. Seuil, coll "Points Sagesses" Sa68, mars 1994.
●隠喩論
-Hans Blumenberg, Paradigmes pour une métaphorologie, traduit de l'allemand par Didier Gammelin, postface de Jean-Claude Monod, Vrin, coll. "Problèmes & Controverses", novembre 2012.
●人格論・共同体論・結婚論・宗教論・動物論
-Yves Christen, L'animal est-il une personne? (2009), éd. Flammarion, coll. "Champs Sciences", octobre 2011.
-Jane Méjias, Sexe et société. La question du genre en sociologie, éd. Bréal, coll. "Thèmes & Débats Sociologie", septembre 2005.
-Étienne Balibar, Citoyen Sujet et autres essais d'anthropologie philosophique, PUF, coll. "Pratiques théoriques", septembre 2011.
-Étienne Balibar, Saeculum. Culture, religion, idéologie, éd. Galilée, coll. "La philosophie en effet", octobre 2012.
-Boris Cyrulnik, Élisabeth de Fontenay, Peter Singer, Les animaux aussi ont des droits, entretiens réalisés par Karine Lou Matignon avec la collaboration de David Rosane, éd. Seuil, mai 2013.
-Miguel Abensour, La Communauté politique des "tous uns". Désir de liberté Désir d'utopie. Entretien avec Michel Enaudeau, Paris : Société d'édition Les Belles Lettres, 2014.
●教育論
-Hannah Arendt, La Crise de l'éducation, extrait de La Crise de la culture, dossier par Anne Dalsuet et lecture d'image par Seloua Luste Boulbina, éd. Gallimard, coll. "Folioplus philosophie" n°89, octobre 2010.

夜:PMと会食&打ち合わせ。現在進行中の計画についてかなり突っ込んだ意見交換。本当にいい奴。関連する本を3冊もらう。有り難し。
-Alain Badiou, Métaphysique du bonheur réel, PUF, coll. "MétaphysiqueS", janvier 2015.
-Patrice Maniglier, La culture, éd. Ellipses, coll. "Philo-notions", janvier 2003.
-Patrice Maniglier, Le vocabulaire de Lévi-Strauss, éd. Ellipses, coll. "Vocabulaire de ...", janvier 2002.


3月25日(水)朝:仕事、昼:今回セミナーでの発表の機会を与えてくださった西山さんと会食&打ち合わせ。その後、文献収集。
●ベルクソン
-Paul-Antoine Miquel, Bergson dans le miroir des sciences, éd. Kimé, coll. "Philosophie en cours", 2014.
●家族論・結婚論
-Philosophie de la famille. Communauté, normes et pouvoirs, textes réunis par Gabrielle Radica, Vrin, coll. "Textes clés", 2013.
●中世哲学(イスラム関係)
-Al-Fārābī, Philosopher à Bagdad au Xe sièclebilingue Arabe-Français, présentation et dossier par Ali Benmakhlouf, traductions de l'arabe par Stéphane Diebler, glossaire par Pauline Koetschet, éd. Seuil, coll. "Points Essais", septembre 2007.
-Ulrich Rudolph, La philosophie islamique. Des commencements à nos jours, traduit de l'allemand par Véronique  Decaix, Vrin, novembre 2014.
●教育論・大学論・マニュアル本(下記の本の多くは、YNさんに直接店内を案内していただき、ご教示いただきました。ありがとうございました。)
-Destutt de Tracy, OEuvres complètes, volume I : Premiers écrits. Sur l'éducation et l'instruction publique,  édité par Claude Jolly, Vrin, coll. "Bibliothèque des textes philosophiques", 2011.
-Brigitte Frelat-Kahn, Pragmatisme et éducation. James, Dewey, Rorty, Vrin, coll. "Philosophie de l'éducation", 2013.
-Laurence Loeffel, Le spiritualisme au XIXe siècle en France : une philosophie pour l'éducation ?, Vrin, coll. "Philosophie de l'éducation", 2014.
-Les Cahiers philosophiques de Strasbourg, tome 6, dossier 1: Les philosophes et l'enseignement de la philosophie, dossier 2 : Emmanuel Lévinas. ※この本を購入したのには、特集から分かる明白な理由以外にもう一つ理由が。それはこの冊子と今度の北大シンポのアクトを両方、実際に手に取った人だけが分かる。。
-Bernard Baas, Problématiques philosophiques. 15 dissertations de philosophie à l'usage des étudiants des classes préparatoires et des universités, H-K, 2012.
-Olivier Tinland, Guide de préparation au CAPES et à l'Agrégation de Philosophie, éd. Ellipses, janvier 2011.

夕方、Gibert Jeuneで最後の文献収集。
●ベルクソン
-Pierre-Alexandre Fradet, Derrida-Bergson. Sur l'immédiateté, éd. Hermann, coll. "Hermann Philosophie", mars 2014. 最後まで迷ったのだが、古本で出ていたので…。
●結婚論
-Tristan Garcia, Forme et objet. Un traité des choses, PUF, coll. "MétaphysicS", novembre 2011.
最後のはPMに薦められたので。

3月26日(木)夜に到着。

3月27日(金)いきなり出勤。

デリダ大学論翻訳(3月9日~)
  予定前倒し2月14日(1本目)➡なるべく早く3月いっぱい:Tさんの訳をクロスチェック
  4月いっぱい:自分の訳を再チェック
  →5月の連休明け(7日)に脱稿:5/7日の入稿時に、かなり精度の高い原稿を。
  →初校(5月15日)→7月1日までに著者校をみすずに返送(1カ月強)
  →再校(7月15日)→8月15日までに再校を返送(1カ月)
  →9月はじめに校了→10月10日に刊行

②連載3月分3/31終了!
③大学論@n(3月末)論文レジュメ(A4一枚程度)提出3/29終了!
➡論文第一稿提出(9月末):デリダ『哲学への権利』読解

④フランス現代哲学における共同体論(理論編)50~80枚@s(3月下旬~) 

⑤某学会某査読3本(~4/10)

4月下旬 連載(4月分)
5月上旬 合同ゼミ発表
5月中旬 エラスムス:ベルクソンとリクール
5月下旬 連載(5月分)
6月中旬 連載(6月分)
6月末 ベルクソンとリクール25枚@h
7月中旬 連載(7月分)
8月中旬 連載(8月分)
8月末→9月末 結婚の脱構築50枚@n
9月末以降 ⑤大学論25枚=10000字@n

2016年
3月末 フランス現代哲学における共同体論(実践編)50~80枚@s

Friday, March 20, 2015

3/22 シンポジウム「「大学ガバナンス改革」問題の歴史的位置」@一橋大学

【東京歴史科学研究会 緊急シンポジウム】
「大学ガバナンス改革」問題の歴史的位置
―「大学の自治」と「学問の自由」の破壊の時代を考える―

主催:東京歴史科学研究会 共催:一橋大学教職員組合・福井大学教職員組合

 昨年春、各地の大学教員有志は、学校教育法改正法(以下、学教法)成立後に
可能となる教授会権限の著しい縮減と学長権限の極端な強化とに対して反対の意
思を表明した。しかしながら、学教法成立以後の大学を取り巻く状況は、われわ
れの当初の想定をはるかに上回るかたちで悪化し続けている。文部科学省からの
行政通知たる同法施行通知(以下、施行通知)は、各国公私立大学の教授会の権
限を(縮減どころか)撤廃しようとする点において、学教法以上に「大学の自
治」の破壊を求めているのである。
 大学とは真理の探究の結果に基づいて、あらゆる不合理と不正を衝き、その是
正をはかる責任を人類に対してもっている。いうまでもなく「学問の自由」と
「大学の自治」は、近現代史の激動のなかで人類の英知が幾多の血を流しながら
獲得してきた財産である。一時期の単なる「大学ガバナンス改革」の美名の下で
「学問の自由」や「大学の自治」を抑圧するようなことがあれば、必ずや日本の
将来に禍根を残すことになるであろう。
 この一連の「大学ガバナンス改革」を、2010年代半ばの新自由主義政策に特有
の現象と考えたい。もちろん2000年代の国立大学法人化や東京都立大学問題の延
長線上にある現象と言えるが、以前とは明らかに異なる事態も表出し始めてい
る。本シンポジウムでは、大学ガバナンス改革」の歴史的位置を総合的に論じ、
この時代に生きるわれわれ歴史研究者がどのように現状に向き合い対応していく
べきなのか、考えていく手がかりとしたい。
(福井大学教職員組合執行委員会「大学の自治を破壊する学内諸規則改定に対す
る緊急反対声明」(2015 年 1 月 29 日)より一部抜粋)

【報告・コメント】
報告1 地方国立大学のガバナンス改革の現状      中澤 達哉(福井大学)
報告2 首都圏国立大学のガバナンス改革の現状①   大河内泰樹(一橋大学)
報告3 首都圏国立大学のガバナンス改革の現状②   小沢 弘明(千葉大学)
コメント1 私立大学改革との比較                 浅田  進史(駒澤大学)
コメント2 都立大学問題との位相                 中村  元 (新潟大学)

【日時】2015年3月22日(日)14:00~(開場13:30)
【会場】一橋大学国立西キャンパス本館26番教室(予定)
(JR中央線「国立駅」南口徒歩6分)
http://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/
(地図の9番の建物)

【参加費】500円

主催:東京歴史科学研究会
http://www.torekiken.org/

Wednesday, March 18, 2015

3/23 マイケル・シーゲル氏退職記念講演会「社会倫理を支えるものとしての“補完性の原理”」@南山大学社会倫理研究所

 2015年3月18日

各  位

                                           南山大学社会倫理研究所


                マイケル・シーゲル氏退職記念講演会開催のお知らせ


 下記のとおり講演会を開催致しますのでご案内申し上げます。皆様のご参加をお待ちしております。

                                                    記

■日時: 2015年3月23日(月)15時00分~17時00分

■会場: 南山大学 名古屋キャンパス R棟3階R32教室
        アクセス → http://www.nanzan-u.ac.jp/Information/navi/nagoya_main.html?15_5_4

■演題: 社会倫理を支えるものとしての“補完性の原理”

■講師: マイケル・シーゲル(Michael Seigel)(南山大学社会倫理研究所第一種研究所員/総合政策学部教授)

■趣旨:
2003年以降、南山大学社会倫理研究所の専任スタッフとして尽力なさいましたマイケル・シーゲル先生の2014年度での
定年退職を記念し、講演会を開催いたします。平和、戦争、環境、宗教など、多様なテーマにかかわり、社会倫理研究
所で十年余に及ぶ共同研究活動を続けてこられたシーゲル先生が、そうした活動を通じて見出すことになった「社会倫
理を支えるもの」について、幅広い視点からご講演いただきます。

■講師紹介:

マイケル・シーゲル

《略歴》
1947年オーストラリア生まれ。1973年に来日。
1993年、英国バーミンガム大学にてPh.D取得。
2003年、南山大学社会倫理研究所第一種研究所員として着任。以降、同研究所の国際共同研究プロジェクトを牽引する
コアスタッフとして国内外で活躍。

《専門領域》社会倫理

《主要著書》
『聖書がみる現代』(ヨルダン社、1993年)
『福音と現代――宣教学の視点から』(サンパウロ、2005年)
『多国間主義と同盟の狭間――岐路に立つ日本とオーストラリア』(共編著:国際書院、2006年)
Asia-Pacific Geopolitics: Hegemony vs. Human Security, Edward Elgar, 2007.(共編著)
「地域共同体・包括的取組・連携――境界を超えるランドケア」『BIOSTORY』(生き物文化誌学会)、第17号、2012
年、37-43頁。
“Consensus building revisited: lessons from a Japanese experience,” Global Change, Peace & Society, vol.
 24, issue 3, 2012, pp. 331-349.
Responding to the Environmental Crisis, Nanzan University Institute for Social Ethics, 2015.(共著)

■主催: 南山大学社会倫理研究所

3/26 Conférence de Bernard Maitte : "Vision et Lumière : des peintres aux sciences et retour" à l'Univ. Lille 1.

Journée Recherche - Polytech'Lille, Conférence-débat

Vision et Lumière : des peintres aux sciences et retour

Jeudi 26 mars à 14h - Entrée libre

Par Bernard Maitte, Professeur émérite d’Histoire des Sciences et Epistémologie, Université de Lille, Sciences et Technologies
Dans le cadre de la 7ème Journée Recherche - Polytech'Lille, en partenariat avec l'Espace Culture

VISION ET LUMIÈRE : DES PEINTRES AUX SCIENCES ET RETOUR


3/25 間文化現象学研究センター・ワークショップ「視覚と間文化性」@立命館大学衣笠キャンパス

【間文化現象学研究センター・ワークショップ「視覚と間文化性」のお知らせ】

来る3月25日(水)、立命館大学衣笠キャンパス・末川記念会館の第三会議室にて、立命館大学「間文化現象学研究センター」主催のワークショップを開催いたします。
現代を代表する思想史家の一人であるマーティン・ジェイは、哲学と視覚との結びつきに注目し、20世紀フランス思想を〈反視覚中心主義〉と捉えました(Martin Jay, Downcast Eyes, 1993)。
今回のワークショップでは、このようなジェイの議論も踏まえながら、「視覚と間文化性」をテーマとして、さまざまな哲学者における視覚と間文化性の問題についての議論が展開されます。
事前申込不要・入場無料となっておりますので、関心をお持ちのみなさまのお越しを、心よりお待ち申し上げております。
〈日時/会場〉
2015年3月25日(水) 10:30~18:00
立命館大学衣笠キャンパス・末川記念会館 第三会議室(2階)

〈提題者・演題〉
10:30~12:00
「La vue dérobée: バタイユにおける視覚・思考・裸性」
横田祐美子氏(立命館大学大学院文学研究科博士後期課程)
「見えないものを反照する眼――デリダにおける視覚と直観の問題をめぐって」
松田智裕氏(立命館大学大学院文学研究科博士後期課程)

(12:00~13:30 休憩)

13:30~15:00
「視覚とニーチェをめぐる一考察」
田邉正俊氏(立命館大学文学部非常勤講師)
「視覚の狂気と眼差しの帝国」
佐藤勇一氏(立命館大学文学部非常勤講師)

15:15~16:45
「眼と耳--解釈学的現象学と思索--」
黒岡佳柾氏(立命館大学文学部非常勤講師)
「見ること・見えなくなること・見えるようにすること--リルケの経験」
和田渡氏(阪南大学経済学部教授)

17:00~18:00 全体討論

※各セッションは、〈30分の発表×2+質疑応答〉で構成されます。
※参加費・事前申込等は不要です。関心をお持ちの皆様のご来場を、心よりお待ち申し上げております。
※ワークショップ終了後、懇親会を予定しております。 


※会場の「末川記念会館」は以下のキャンパスマップ「24番」の建物となります。

●立命館大学衣笠キャンパスへのアクセス
http://www.ritsumei.jp/accessmap/accessmap_kinugasa_j.html >
●立命館大学衣笠キャンパスのキャンパスマップ
http://www.ritsumei.jp/campusmap/map_kinugasa_j.html >

Monday, March 16, 2015

2014-2015年度の研究成果

現在、(1)ベルクソンを中心とするフランス哲学・思想研究を中心に、(2)結婚の形而上学とその脱構築、および(3)哲学と大学という二つのサブテーマについて研究を展開している。

口頭発表
本年度は4つの口頭発表を行ない、1つの国際シンポジウムのオーガナイズ・司会を行なった。(1)が1つ(口頭発表①)、(2)が3つ(口頭発表②③、オーガナイズ①)、(3)が1つ(口頭発表④)、使用言語で言えば、日本語が2つ、フランス語が2つ、英語が1つである。

口頭発表 Desire and Joy: Bergson and Deleuze on Political Philosophy
The 2nd International Deleuze Studies in Asia Conference 2014 Osaka/Japan.
Panel Session "MetaphysicS: Deleuze after Bergson / Deleuze (d')après Bergson"
201468日(日)、大阪大学豊中キャンパス・豊中総合学館402教室)
口頭発表 僕らをつなぐもの――現代フランス哲学から考える愛/性/家族なき結婚の可能性
ネットワーク日本哲学第4回《『なぜ、私たちは恋をして生きるのか』をめぐって》
201496日、京都大学文学部新館2階第三演習室)
口頭発表 結婚の形而上学とその脱構築――契約・所有・人格概念の再検討
北海道大学大学院文学研究科応用倫理研究教育センター主催
公開シンポジウム《結婚という制度 その内と外 法学・社会学・哲学からのアプローチ》
2015111日(日)13:30-16:45、北海道大学 学術交流会館 小講堂)
口頭発表 デリダの『哲学の権利について』について(仮題)
Le séminaire de Yuji Nishiyama : « L’université comme architecture (ir)rationnelle de la philosophie » au Collège international de Philosophie 2015323日(月)、フランス・パリ・Centre Parisien d’Etudes Critiques (CPEC), 37 bis rue du Sentier, 75002 Paris

オーガナイズ・司会① 共同討議《結婚の脱構築――フランス同性婚合法化以後》
ギヨーム・ルブラン(ボルドー第3大学)、ファビエンヌ・ブルジェール(ボルドー第3大学)、坂本尚志(京都薬科大学)、相澤伸依(東京経済大学)、藤田尚志(九州産業大学)
201485日(火)、西南学院大学・西南コミュニティセンター2F会議室)


刊行物
刊行物としては、論文3本を刊行する。領域は(1)~(3)各一つずつ、使用言語は日本語が2本、フランス語が1本である。

論文① "Télépathie : la recherche psychique de Bergson et la métapsychologie de Freud", in Brigitte Sitbon (éd.), Bergson et Freud, Paris : PUF, coll. "Philosophie française contemporaine", avril 2014, pp.141-154.

論文②「ソフィストの力(アレテー)――大学における哲学教育に関する若干の考察」
九州大学哲学会編『哲学論文集』第五十輯(九州大学哲学会創立50周年記念)、201412月、75-102頁。

論文③「結婚の形而上学とその脱構築――契約・所有・人格概念の再検討」 
『応用倫理――理論と実践の架橋』vol. 8 別冊『結婚という制度 その内と外――法学・社会学・哲学からのアプローチ』、北海道大学大学院文学研究科 応用倫理研究教育センター、2015年3月15日、論文本編は24-40頁、討論での発言部分は44-47, 49-50, 52, 54頁。

Friday, March 13, 2015

いただきもの(2014年11月‐2015年2月)

金井淑子・竹内聖一編『ケアの始まる場所――哲学・倫理学・社会学・教育学からの11章』、ナカニシヤ出版、2015年2月ケアを医療や介護の現場に限定することなく、日々の生活の中に「ケアの始まる場所」を探すという試みには共感します。特に以下の章に興味を惹かれました。

第4章 妊娠の身体性――フェミニスト現象学の観点から代理出産を考える(齋藤瞳)
5章 〈リベラリズムの生殖論〉から〈ケア倫理の生殖論〉へ――生殖と男性の関係から考えるケア問題(齋藤圭介)
第6章 「教育」と「ケア」をめぐる相克(丹治恭子)
第8章 死者とケア――ケアにおいて存在しうる死者(小館貴幸)
第11章 ケアの思想と臨床知をつなぐ――自己へのケア/記憶のケアへ(金井淑子)


岡本裕一朗『フランス現代思想史 構造主義からデリダ以後へ』、中公新書、2015年1月。
ソーカル事件以後にあらためてフランス現代思想の価値、アクチュアリティを問うにあたって、マルクスのヘーゲル哲学に対する態度を参考に、濫用された数学や科学的な概念を取り除いて、その合理的な核心(=フランス現代思想の「精神」=西洋近代の自己批判的な解明)を引き出すという読解方針に共感しました。


ポール・ベニシュー『作家の聖別――フランス・ロマン主義1』(片岡大右+原大地+辻川慶子+古城毅訳)、水声社、2015年1月。
詩人の(ただし不安定で決して完全に成就することのない)「聖別」としてロマン主義の歴史を描き出すという試みは、狭義の文学史を離れて、例えば、「宗教的なもの」(le religieux)の一般史の中に置き入れてもきわめて示唆に富むもののように思われます。


岩野卓司編『他者のトポロジー 人文諸学と他者論の現在』、書肆心水、2014年12月
冒頭のフロイト論、私も、ベルクソンとフロイトの比較について(仏での国際シンポや日本仏文学会ワークショップでもテレパシー論を取り上げましたが)、さらに展開していきたいと考えているので、記憶についての取り扱いや、オカルトへの言及など、刺激を受けました。


ジャン・グロンダン『ポール・リクール』(杉村靖彦訳)、白水社、文庫クセジュ、2014年12月。
かなり宗教的な解釈学の観点からリクール思想の全体像を捉えるというのは、杉村先生同様、私も少々無理筋かなと思いますが、そのような解釈との対決からそれぞれなりのリクール像が鮮明になってくれば、それはそれで著者の意図に適うことでもあるのでしょう。


ナタリ・リュカ『セクトの宗教社会学』(伊達聖伸訳)、白水社、文庫クセジュ、2014年12月。
恐るべき大著『ライシテ、道徳、宗教学――もうひとつの19世紀フランス宗教史』(勁草書房、2010年)で2011年の渋クロを受賞したやはり俊英にして畏友の伊達氏は、その後も精力的にライシテ関連の著作を翻訳されてきた。本書で提起されている問い――近代化と合理化を遂げて人権の観念が広く行き渡ったはずの現代社会において、セクトが影響力を行使しているのはなぜなのか――というのは、私にとっても実に重要な問いです。


ジャック・デリダ『哲学への権利』第1巻(西山雄二+立花史+馬場智一訳)、みすず書房、2014年12月。
これまでも分かっていたつもりですが、同じ翻訳者の立場に立ってみると、より切実な実感をもって分かるのですが、本当に翻訳者というのはすごい。ましてデリダを翻訳するなど、独りでは思いもよらないことです(とはいえ、大昔に某書店に出版企画を持ち込んで挫折したこともありましたが・・・)。ともあれ、デリダ哲学教育論・制度論・大学論に関心のある方には(私などの言うまでもなく)必読の一冊です。


原大地(たいち)『マラルメ 不在の懐胎』、慶應義塾大学出版会、2014年6月。
博論Lautréamont : vers l'autre. Etude sur la création et la communication littéraires (L'Harmattan, 2006)で2007年の「渋クロ」を受賞した俊英にして畏友の原氏による第3作。第2作『牧神の午後――マラルメを読もう』(慶應義塾大学教養研究センター選書、2011年)で一般読者に開かれた文体を会得した氏が、今や精妙にコントロールされたゆるやかさとともに、「来るべきポエジーを準備するために」「詩に関する情報を世に引き渡しておく」決意をもって、マラルメの幾つかの詩を読み乾す。


2015年1月に北大シンポの記録を作るにあたって、参考にと以下の三冊をご恵投いただいた。記して感謝する。

北海道大学大学院文学研究科 応用倫理研究教育センター編『公開シンポジウム記録「安心してケアする・ケアされる社会とは――私たちだれもが体験する老いと介護を考える」』、2014年4月。

北海道大学大学院文学研究科 応用倫理研究教育センター編『応用倫理――理論と実践の架橋――』vol.7別冊:シンポジウム「触発をする映画――女性映画の批評力」記録、2014年3月。

北海道大学大学院文学研究科 応用倫理研究教育センター編『応用倫理――理論と実践の架橋――』vol.6別冊:シンポジウム「異性装とパロディ:自己と文化の多様性」記録、2013年3月。