Sunday, February 18, 2018

自由な空間を守るために

立て看・吉田寮問題をめぐる動きについて、私も微力ながら告知に協力させていただきます。

私たちを取り巻く、息苦しい閉塞状況に対して、小さくても声をあげ続けていかなければいけないと思っています。

署名運動に賛同いただける方はぜひよろしくお願いします。
https://sites.google.com/view/tatekan-yoshidaryo/home

下記は過日行なわれたシンポジウムの報告(をメールにてお送りいただいたもの)です。

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「立て看・吉田寮問題から京大の学内管理強化を考える」シンポジウム呼びかけ賛同人と署名賛同者のみなさまへ、

「立て看・吉田寮問題から京大の学内管理強化を考える」シンポジウムでは「緊急アピール」にご賛同いただき、まことにありがとうございました。

シンポジウムの方、2月13日に予定通り挙行し、総勢450名近い聴衆を集め、立ち見の出る大盛況のうちに晴れやかに終了することができました。
当日は、吉田寮生および関係者、立て看当事者、学内教員として駒込武教育学研究科教授、外部から鵜飼哲一橋大学教授から発言があったほか、来場の方からも多くの意見表明を得ることができました
なにより、多くの来場者を前にして、これまで当事者でありながらまったく大学内の意志決定プロセスから排除されてきた吉田寮生、立て看設置者の側から、現今の京大当局が進めている学内管理強化の不当性について具体的に説明し、理解を求める機会とできたことを嬉しく思っています。
ご来場いただいた方々、重ねてありがとうございました。
シンポジウムで配布した一連の資料は、当シンポジウムの公式ウェブサイトの方にアップし、広く周知していきたいと思っています。シンポジウムに参加できなかった方々には、下記サイトでぜひ御覧いただけると幸いです。

シンポジウムの告知と署名運動の開始から十日ばかりのきわめて短い準備期間でしたが、多くの方々の関心を惹くことができたこと、呼びかけ人と賛同者のみなさんのおかげと感謝しています。
なお、署名応募者は2月14日現在810筆を数えています。
めざましい成果と言いたいところですが、大学改革後、トップダウン形式で物事が決まってゆく現在の京都大学において、学内外の声を当局の意志決定に反映させるためには、より多くの人々から当局の学内管理強化に対する批判の声をあげてゆくことが必要です。
仄聞するところでは、京大当局も学内外からの一斉の批判を多少なりとも気にしているようではあります。
署名運動は、3月13日の〆切までいっそうの賛同者の拡大を図っていくつもりです。
今回のシンポジウムを契機に、京大当局の学内管理強化の方針を変更させることができるよう、引き続きみなさまのお力添えをお願いいたします。

2018年2月17日
京大の学内管理強化を考えるシンポ実行委員会
公式サイト:おもしろくも変人でもない京大
https://sites.google.com/view/tatekan-yoshidaryo/home

Thursday, February 15, 2018

【クリップ】奨学金「延滞者数」が多い大学 ワースト10

 受験シーズンいよいよ本番。受験生は、春からの学生生活への希望に胸を膨らませ、入試に臨む。だが、その試練を乗り越えて入学した新入生の約半数が、卒業時におよそ300万円もの“借金”を背負うという現実はあまり知られていない。奨学金の負債である。
 事態を憂慮した日本学生支援機構は、昨年4月、初めて大学別の奨学金延滞率(※奨学金貸与終了者のうち、3か月以上返済が滞っている人の割合)を発表した。全国751大学の奨学金貸与者数、卒業生(貸与終了者)のうち3か月以上返済が滞っている人の割合などのデータだ。
 これまで大学の序列は「合格偏差値」や「就職率」などで決められてきた。ところが、この奨学金延滞率データは、大学別の「卒業生の収入など生活力」(奨学金返済能力)を示す新たな指標であり、学生がこのデータを重視して大学を選択するようになれば従来の“大学序列”が大きく変わる可能性があるからだ。そこで、私大、国立大を含めた奨学金「延滞者数」の全国ランキングを見ていこう。
 表のように、ワースト10には日大、東海、近大、早稲田、専修などマンモス私大が並ぶ。学生数が多く、奨学金受給率が高いほど延滞者数は増える。しかし、学生数が多くても、慶應、立教、同志社のようにランク外のマンモス私大もある。ここに「返済力」の違いが浮かび上がる。
※週刊ポスト2018年2月16・23日号

奨学金の大盤振る舞い 学生募集に悩む大学には“恵みの雨”

2018.02.07 16:00

「奨学金」といえば、かつては成績優秀な苦学生のためのものだった。日本育英会(現・日本学生支援機構)の貸与基準は厳しく、20年前までは大学生の約10人に1人しか受給できなかった。だが借金をしても、その後の「大卒」の価値はそれを補って余りあるものだった。大手企業に職を得れば、返済に困るような事態にはならなかったからだ。

 しかし、いまや奨学生の実態は大きく変わった。国の奨学金制度が拡充され、成績や親の収入などの基準が緩和され貸与枠も大幅に拡大された(※)。“苦学生”でなくとも奨学金を借りやすくなったのだ。

【※1999年度の成績要件の緩和、貸与月額の選択制導入が実施されて以降、段階的に要件が緩和されてきた。昨年にも1学年の貸与人数を4.4万人増やす(第1種)などの大幅な緩和がなされている】

 地方から上京して都内の私大に通うMさん(21)は1年時から奨学金を借りた。

「仕送りが足りないので日本学生支援機構から限度いっぱいの月額12万円の奨学金を受けています。サークルの幹事をやって、ゼミもあるからあまりバイトはしていません。奨学金がなかったらバイトに追われていたんじゃないでしょうか」

 そう淡々と話すのが今時の奨学生の姿なのだ。“誰でも借りられる”ようになり、奨学生は激増した。奨学金の受給者数は20年前の約46万人から現在(2017年度)は130万人まで増え、いまや大学生の2人に1人(約51%)が何らかの奨学金を受けている。受給総額は年間1兆円を超えた。

 そうした大盤振る舞いで一番の恩恵を受けているのは、学生よりも大学だ。政府の規制緩和で大学・学部新設が容易になり、この20年間で全国に約200校の私立大学が新設された。学生募集が難しい新設私大にとって、奨学生急増は“恵みの雨”となっている。ある地方私大顧問が語る。

「昔なら経済的理由で進学をあきらめていた学生が大学で学ぶようになった。そのおかげで地方の中規模以下の私大にも学生が集まって運営が成り立っている。もし、奨学金がなければとっくに倒産していてもおかしくない大学は多い」

 学生が借金(奨学金)で学費を払い、雨後の筍のように増えた私大の経営を支えているのである。大学側にすれば、学生がいくら借金を負っても、卒業で送り出せば“関係”は終わる。しかし、奨学生にとっては大学時代が“楽な学生生活”になるのと引き換えに、就職した途端に“苦しいサラリーマン生活”が待ち受けることになる。

 月12万円の有利子奨学金(最高3%の変動金利)の貸与を受ける前述のMさんの場合、4年間の貸与額は500万円を超える。利息を合わせると最大約700万円になり、月々2万円以上を20年にわたって返済しなければならない。新社会人のスタートから重荷を背負う。

 そのため、大学卒業後5年以内に3か月以上の返済延滞に陥った人数は1万8190人(2015年度末時点)に達する。滞れば一括返済を迫られ、「奨学金破産」はいまや大きな社会問題となっている。

※週刊ポスト2018年2月16・23日号