もちろん昨日の『プロフェッショナル』宮崎駿スペシャルをご覧になった方は多いと思う。が、すみきちブログを見ている人はそこまで多くないかもしれないので、一部引用させていただく。
《そして、インタビューで、感動した話がある。宮崎さんが、世のこどもに対して、どういう大人でいたいか、という話だ。
「よく『子どもの未来は』と言う人がいるでしょう。子どもの未来はつまんない大人になることなんですよ、 決まってるじゃないですかねえ。どういう大人になるかとかいう問題じゃないんですよ。今の子どものこの期間に、何を見て、どういう体験ができるかがいちばん大事です。
僕らはそういう場所を提供することはできる。一緒にやることはできないけど、時間と場所を提供することはできるはずだって。それしかないんです。それができるときは、その瞬間にやらなきゃいけないんですよ。それを逃すとね、もうできないんですよ。
知り合いの子がこの映画の準備に入ったときに 1年生でここに遊びに来てた子が、今、もう3年生になっているんですよ。1年生から3年生の時間てものすごく長いでしょう。僕らにとってはあっという間に終わってしまった2年間だったのに。
で、その子が一年生の時ここに遊びに来たときに、『帰るのがイヤだ』ってグズついたんですよ。『僕のボロ車に乗せて駅まで送ってあげるから』と言って、ちょっと遠回りして送っていったんですけど、それでもグズグズ言っているんですよね。でね、走るなり、バーッと屋根(車の幌)を開けてあげようかと思ったんです、そうすれば気分が一遍に変わりますから。でも、雨降ってきたんですよ、バラバラと。1回開けるのは簡単だけど、閉めるの面倒くさいんですよね。それで一瞬ためらっていたら、もう駅に着いちゃったんですよ。それで『しまった!』と思いました。
そういう『しまった!』を、ずーっと持ってるんですね。あぁ、自分がエンタテイナーと言いながらね、あのチャンスに屋根を開けられなくて、『車の中、濡れるのがイヤだな』とかね、情けないことを考えた自分が情けないと。案の定ないですよ、もう。1年生の彼に屋根を開けてあげるチャンスは、あの瞬間しかなかったんですよ。
そういうときにパッとやれる人間でなきゃだめなんです、大人が。そのときに濡れるとかね、ほんと瑣末なことにたぶんためらったためにね、『いや、またあるんじゃないですかチャンスは』とみんな言いますけど、ないんです。あとでわかるんですよね、『しまった』と(苦笑)。ほんとに悔しいですよね。パッと開けられなかった、その自分が。濡れたっていいじゃんというね。『うわっ濡れる』と大騒ぎしながら走りゃいいんですよね。なんでそれができなかったんだろうと」
続きはすみきちブログでどうぞ。
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