Tuesday, July 20, 2010

リストの思想

偶然聞いたのだが、現在、リール第三大学教授(美学・芸術哲学)である――知らなかった。ということは、カトリーヌ・キンズレールの後任ということになろうか――ベルナール・セーヴが、《さまざまなリスト:哲学・合理性・倫理》というタイトルで、「リストの哲学」について、ホスト(ホステス?)のモニック・カント=スペルベールと語っていた。リストと言っても、音楽家のリストではなく、一覧表の意味のリストである。

Bernard Sève, De haut en bas: philosophie des listes, éd. Seuil, coll. "Ordre philosophique", janvier 2010.

リスト以上に単純なものがあるだろうか?にもかかわらず、なんというパラドックスだろう。リストは散文的なものだが、詩人はリストを歌わせる術を知っていると見える(フロベールの『ブヴァールとペキュシェ』、サルトルの『嘔吐』)。リストは閉じたものであるかと思えば、開かれており、静的であるかと思えば動的であり、有限であると同時に無限であり、秩序立っていると同時に無秩序であり、それらすべてであると同時に、一瞬たりともリストであることをやめないのだ。ドン・ジュアンの収穫リストと、科学的ないし法的な用語リストとの間に何か共通のものがあるのだろうか?

リストは、何気ない買い物リストから厳かに読み上げられる死者のリストまで、人間の根本的な実践の一つであるにもかかわらず、それ自体が思考の対象とされることはほとんどない。誰かが、あるいは何かがリストの中で、リストの背後で語っているのだろうか?もしそのようなものがあるとして、どのような「リストの思想」がそこで語られていることになるのか?「リストで」行動し、思考するとは何を意味するのか?リストは美学的な価値を持つのか?それは何かを証しているのか?

『上から下まで――リストの哲学』は、リストという日常的なものを真剣に受け取る。作家や詩人、哲学者だけでなく、芸術や社会的な活動の中にも、リストの概念と用法を分析する。誰もが、必ずしもなぜ作るのか分からないままに、リストを作る。リストは、その多様な現れから見て、人間精神の機能の様々なる徴候として読まれうるのではないか。

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