逆巻しとねさんから依頼を受けましたので、告知いたします。以下、逆巻さんの告知文です。
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アーギュメンツという批評誌(https:// arguments-criticalities.com/) があります。
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アーギュメンツという批評誌(https://
この若手批評家が主体となってつくった、 手売り対面販売限定の雑誌の#3に参加した縁で、 このたびイベントを企画することになりました。
8/17に小倉ソープ、8/18に博多テトラにて、『 アーギュメンツ#3』刊行を記念したイベントを二件開催します。
両日とも、遠方より、批評家の黒嵜想さん、 同じく批評家の仲山ひふみさん、そして映像作家・「トポフィル」 共同運営の佐々木友輔さんをお招きします。
以下、趣旨説明をさせていただきます。
8/17のイベントは、 この時代における批評のありかたを考える、という趣旨です。
『アーギュメンツ#3』 の共同編集を務めた黒嵜さんと仲山さんに、 批評について問題提起をいただいたあと、 批評活動もされている佐々木さんとわたしが応答するというかたち で始めたいと考えています。
『アーギュメンツ』の編集方針とわたしの関心を加味すると、 共同性/協働性がキーワードになると思っています。
現在は、さまざまな興味・関心が乱立し、 セグメント化が進行しています。 これは広くライトユーザーに訴えるのではなく、 熱心なコアな層を確保し、 その限られた顧客を相手に消費行動を繰り返させるマーケティング の手法とも似通ったものだと言えます。 企業はそれぞれターゲットとなる狭い層を相手にした特定の商品を 、多種、開発する。出版社も、 それぞれターゲットとする顧客を想定した本を少部数刷り、 出版点数で勝負する。この状況は、 それぞれ棲み分けらた関心が互いに交わることなく並列する現在の コミュニティのありかたそのものである、と言えるでしょう。 批評はこの棲み分けに介入し、 それらのあいだに出会いやつながりをつくりだすものとならなけれ ばならない。少なくともわたしは、『アーギュメンツ#3』 は交わらない棲み分けを克服するための批評的介入であり、 そうした理念を編集/各内容において体現した一冊である、 と理解しています。
こちらのイベントは、 遠方から他にも若手の批評家や研究者が駆けつけてくださる情勢と なっています。もちろん、上記は問題設定でして、 実際は具体的な事件や事象を題材としつつ侃々諤々とやる予定です 。ギャラリー・ ソープの経営者であり映像作家でもある宮川敬一さんや共同制作者 の方々にも参加いただくので、アートの実践/ 受容や街づくりという観点からも話が膨らむはずです。
フロアも交えて、3時間、濃いお話ができると思っています。 なお、米田翼さんがこのイベントにいらっしゃる予定です。
8/18のイベントは、『アーギュメンツ#3』 掲載のJホラー座談会の延長戦となる予定です。
Jホラーは95年の『リング』 を皮切りに日本映画復興の足掛かりをつくった一大ブームでしたが 、批評からはほとんど無視されてきた、 というのが仲山ひふみさんの提起でした。
このJホラーの不遇は、 実のところ批評の不遇とも密接に関係している。 批評は外へと向かってさまざまな無視されているものを救い上げな ければならないのに、 内部をつくってそこに安住しているのではないか。 批評が力を失っているのは、 外へと向かう意識が弱っているからなのではないか。そして、 画面外への恐怖を根幹に据えるJホラーには、 批評を賦活するヒントがあるのではないか。 Jホラーを再考することは、 そのまま批評について考えることにもつながるゆえんです。
わたしは、佐々木さんとわたしという、 ホラーコンテンツ批評を専門とするわけではない人間に、 それぞれメディアのなかのメディア、 バイオホラーの系譜という見地から、 Jホラーを語らせることを通じて、 Jホラーの語られざる盲点を明るみに出すと同時に、 批評の盲点を把握する、という狙いがあったのではないか、 と理解しています。さらにいえば、黒嵜さんは声や音声、 聴覚文化のほうを主たる関心領域とされている。 決してホラーについて継続的に思考してこられた方ではない。 仲山さん自身も、音楽批評から出発し、 最近の思弁的実在論の流れに掉さすホラーの哲学からJホラーへの 関心を抱いたに過ぎない。このように、 本来はばらばらの関心をもつ4人が、(J) ホラーというひとつのトポスを囲むことによって間接的につながる 、というところにおもしろみがあると思うのです。きっと、 当日のイベントでも、そうしたトポス(トピック)を介した、 福岡ならではの不思議なつながりができるのではないか、 と考えています。
もちろん、以上の問いはあくまでも枠組みです。当日は、 それぞれが具体的な作品を論じつつ、 楽しみながら論じていきます。
また、映像作家の佐々木友輔さんが当日、 たまたま撮れてしまった心霊映像を持ってきてくださいます。 こちらのほうも、わたし自身楽しみにしております。
以上2件のイベント開始前にはそれぞれ、『アーギュメンツ』 の即売会と交流会の時間が設けられています。 有料イベントに参加しない方でも、 無料でわたし以外の登壇者と交流できます。
いずれも20代~30代前半の批評家たちですし、 当日は遠方から20代の研究者・ 批評家がいくらか来場してくださいます。
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