マシュレが新刊を送ってくれた。『カンギレムからフーコーへ。規範の力』(2009年)である。
De Canguilhem à Foucault. La force des normes, éd. La fabrique, 2009.
彼が一番最初に書いた論文は、カンギレム論だった。以来、四十年以上、地味な読解作業を続けてきた人だ。哲学のテクストを「読む」ということを私が学んだのはこの人からだった。「倦まず弛まず」ということを身をもって教えてくれたのもこの人だった。
地味だが、アカデミシャンではない。きらびやかな読解もいいし、渋い訓詁学もいいが、しかし、人々はどうしてこの両者の間には実に広大な空間が広がっていることに気づかないのだろうか。どうしてああも簡単にどちらかに「イカれる」のだろうか。そしてとりわけ、どうして自分なりの「思考のスタイル」――un style de penséeは本書に収められたある論文のタイトルである――を産み出そうと努めないのだろうか。
本書は、1963年の処女論文から1993年までに書かれた5篇のカンギレム・フーコー論を収めたものである。この本を訳すのは私の仕事ではないが、私は彼の処女作『文学生産の理論のために』をいつか訳すだろう。
*
病院に行ってきた。ここ数カ月胸が苦しく、ここ数日ぜんそくがひどかったから。
*
ひとつずつ小さいものを乗り越える。
小さい他人を乗り越えるのではない。小さい考えを乗り越える。
大きな流れに身を委ねるために。
No comments:
Post a Comment