Monday, October 26, 2009

シンポ無事終了!

昨日、無事にシンポジウムが終了しました。連日、90人以上の方々が来てくださり、おかげさまで、ポール=アントワーヌ・ミケルも懇親会でのスピーチで述べていたように、

「日曜日、午前、雨という三つの悪条件の中、マニアックなフランス哲学の話を聞きに駆けつけてくれた大勢の人に囲まれていると、議論にも自然に熱が入る」

のも自然なことでした。会の成功は、これはエリー・デューリングがやはり懇親会のスピーチで述べていたことですが、

「オーガナイザーや発表者、聴衆にかかっているのはもちろんですが、フランス語でpetits mains(小さな手たち)と言われる人たち、つまり会場運営や大量の資料作成や送迎に携わってくれたこんなにも多くの人々の存在抜きには語れないことですね」

と如実に感じられました。最終日はとりわけ、ヴィデオ・コンフェランスがあり、どうなることかとひやひやしましたが、むしろちょっとしたサスペンス、ほどよく肩の力の抜けた緊張感があって、ジョン・マラーキーのスリリングかつどことなくユーモアのある発表と相まって、これも上々の仕上がりでした。

もちろんすべてに満足しているわけではありません。まず第一に、私自身の発表には自分自身、忸怩たるものがあります。大学の仕事をそつなくこなしながら、完璧なオーガナイズをして、そしてかつ優れた発表をする、というのが目標だったのですが、今回はそのいずれもボロボロでした。中身ももちろんですが、何より、人にはさんざん「長い発表など論外」と言っておきながら、自分がかなり長くしゃべってしまい、相当落ち込んでいます。私は相変わらず長く発表してしまう人を評価しないし、今後は自分が絶対にやらないようにしないといけない、と強く思いました。

また、オーガナイザーとして言えば、やり残したことも多々あります。私の一存ではどうにもならなかったことも、私の意図がうまく伝わらず、結果として実現できなかったことなど、数え上げればきりがありません。そのことについては思うところが多々ありもします。

でも、そうやってでも、自分が正しいと思う方向に、日本のフランス哲学研究が向かっていくことに少しでも尽力できればと思う。もちろん、自分の拙い研究の向上・発展にも日々努力しつつ。とりわけ、シンポの成果を「形」にしていくこと、つまり何らかの形で論文集を出すだけでなく、そこで行なわれた発表、質疑応答の中で示唆された事柄を次の研究課題と して追究していくことも忘れてはならないと思っています。徐々に落ち着いてきたら、この三年間のすべての原稿を読み返し、そこから自分なりに何が引き出せるか、考えてみるつもりです。

今後も、さまざまな形でこの種のイベントに携わっていければと思っています。これで三年間の長きにわたる国際プロジェクトは一応の完結を見たわけですけれども、まさにシンポの仏語タイトル(Tout ouvert=開かれた全体/まったき開け)のように、また次への一歩を踏み出せればと思っています。すでに次の小さな無数のプロジェクトが動き出しているようです。

関わってくださったすべての方々に篤くお礼を申し上げるとともに、

今後ともご支援・ご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。

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