Monday, September 09, 2013

「訴えたら勝てる」

先日ハラスメント研修会があった。そこで紹介されていたパワハラ上司の典型例。いるんだろうなあ…。っていうか、自分も気を付けないといけない。


パワハラ上司はどんな人?

仕事に過剰適応な上司

自己中心型
  1. 「オレについてこい主義」で、他人の言うことに耳を貸そうとしない。
  2. 自分のやり方に自信をもっているのでそれを押しつける。
  3. 自分のやり方への批判を許さない。
過干渉型
  1. 完璧主義で、手抜きを許さない。(他人に厳しい)手取、足取り教えようとする。
  2. 自らの成功体験を語りがちで、相手の置かれた状況を無視して、おせっかいをする(説教が大好き)。
  3. 自分は面倒見がいいと思い込んでいて家族主義を振り回し、プライバシーにまで干渉する。

仕事に消極的な上司

事なかれ主義型
  1. 上の意向を気にして自らの判断をしようとしない。
  2. 失点を恐れて、新しいことにチャレンジしようとしない。
  3. 状況変化への適切な対応や突発的な危機管理ができない。
無責任型
  1. 部下に任せきりで、リーダーシップを発揮しない。
  2. 仕事への不満や処遇上の不満を募らせている(上層部や部下への不満、そしてポジションや処遇への不満)。
  3. 部下などに責任を押しつけて責任回避ばかりする。

この間もまた卒業生から相談を受けた。セクハラとパワハラの交錯ケースである。

《様々な「ハラスメント」が叫ばれるようになった昨今ですが、一会社に浸透するのはまだまだ時間がかかりそうです。セクハラやパワハラに関しては、すでに、「訴えたら勝てる」くらいの経験をいたしました。

いつか機会がありましたら、後輩の皆さんの前でお話させていただけたらと思います。特に、女子学生の皆さんには身近な問題だと思いますので。》


やっているほうは無自覚なので、たちが悪い。「ボクはやってないよね?」などと言って、相手が「もちろんですよ」と答えたら、それでOKと思っている。おめでたいというほかない。ジャイアンがスネ夫に「おい、スネ夫。俺様はおまえのこと、いじめてなんかないよな?」と言ったとして、スネ夫は何と答えるだろうか。もちろん、このジャイアンは、ジャイアンな見かけをしている場合もあれば、出木杉君な見かけをしている場合もある。

ハラッサーが被害者に何度問い詰めても答えは同じであるし、そう問い詰め、自分はハラッサーでないことを証明しようとして、いよいよ距離を詰めようとすること自体、ハラスメントの上塗りでしかない。

このような場合、相手は決して本心を答えない。いや、答えないのではない。答えられないのである。したがって、「なんで嫌なら嫌と本当の気持ちを言ってくれないのか」などとその相手を問い詰めるのは、完全に問題の本質を逸している。

そんな本心が言えるくらいなら、そもそもハラスメントを耐えながら独り苦しんだりはしない。本心を言えない心理状況に追い込まれているから、ハラスメントをハラスメントだと言えないのである。

要は訊く相手を間違えているのだ。自分がハラスメントしているか聞く相手は、セクハラ・パワハラをしているかもしれない当の相手、ではない。静かに問いかけるべき真の相手は自分であり、自分の内面であるほかない。

注意深く見るべきは、相手が自分をハラッサーだとみているか否かではない。自分が相手を本当の意味で、つまり、もしかすると自分の「甘え」が原因で苦しんでいるかもしれない者として、尊重した言動をしているか否かである。

ちなみに、現在ハラスメントに苦しんでいる人たちのみならず、もしかして自分もハラッサー(予備軍)かもと思い始めた人たちにも、幅広くいろいろな本を読むことを強くお勧めしておきたい。「自分は関係ない。そんなもの読む必要はない」と言い張っている人ほど危ないのかもしれない。

被害者にとってはまったく物足りないかもしれないが、牟田和恵さんの『部長、その恋愛はセクハラです!』は、男性にとっては有意義であると思う。

牟田さんの本が物足りなかった女性には、『妄想(セクハラ)男は止まらない 勝利的和解・セクハラ裁判の記録』という壮絶な闘いの記録をお勧めしておく。「心理的監禁状態」、この話はアディクションや共依存の話と無縁ではない。私が、《結婚の脱構築》の一環として、ハラスメントに関心を寄せるゆえんである。

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