Friday, December 09, 2005

知の末路

pense-bêteにも参加してくれている友人toshoheiさんが『週間金曜日』の「金曜アンテナ」というコーナーに、稲荷明古さんという方の「廃寮問題で係争中の山大」というごく短い報告が掲載されていることを教えてくれた。末尾を引用させていただく。
 国賠訴訟の控訴審判決(今年9月)で仙台高裁は、大学から寮自治会への「人格権」侵害を認め、国側に賠償を命じた。この判決に原告側は「組織としての大学の違法性を免罪する不当判決」として上告。原告団は最高裁勝訴へ向け、全国行脚を続ける(詳細は、URL http://dorouso.hp.infoseek.co.jp/)。
 廃寮の背景には独立行政法人化の流れがあった。全国で2番目に小さな国立大学(学生8323人)である山大は生き残りをかけて、文科省通達を強行した。「貧乏人は大学に来るなという圧力は全国で目に見えて深刻化」している。信州大学では今年、休学者の1人に「学内への立入を一切禁止する」との通告が出された。


これ以上愚かなことを続けるつもりなのだろうか。生き残りをかけて死に物狂いの大学のことだけを言っているのではない。国公立大学をそういう状況に追いやることで、日本の知の状況を決定的な壊滅状態に追い込んでおいて、「民営化=合理化」で得をしたつもりでいる日本国民のことを言っているのである。

ほとんどフリーター(派遣社員でもよい)状態でカップメンをすすりながら巨大掲示板に延々と愚劣な極右的言辞を書き込み続ける者、嬉々として小泉政権を支持し続ける薄給のサラリーマン…。自分の政治的行動――何度でも言うが、ノンポリも一つの政治的行動である。自分はノンポリだからなどと悠長に構えているつもりの者は、完全に勘違いをしている。レイプの現場に居合わせながらNoの声をあげない者はYesと言っているのと同じである。――の論理的帰結を考え抜くことのできない者が大半を占めたとき、ファシズムは到来する。

左翼的言説か否かなどどうでもよい。まずは『週間金曜日』の編集長コラム「「下流」の敵は、格差社会実現をもくろむ米国かぶれの為政者にあり」を読んでいただきたい。大筋には賛同できる。

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