Wednesday, October 05, 2016

【近刊】11/7 『ベルクソン『物質と記憶』を解剖する ―― 現代知覚理論・時間論・心の哲学との接続』@書肆心水

福岡大学の平井靖史さんの最近のお仕事ぶりはすごいの一言に尽きます。彼のおかげで、私たちが細々と継続してきたPBJに予想外の展開がもたらされました。その成果が本書です。

「この手のアプローチね」という方もいらっしゃるかもしれませんが、大切なのは「この手のアプローチ」の中身です。すごいです。

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拡張ベルクソン主義宣言! 

おそらく時代にあまりに先駆けて世に出たがゆえに難解書とされ、ベルクソンの他の主著に比べても敬遠されてきた『物質と記憶』。最近の「意識の科学」(認知神経学、認知心理学、人工知能学)と「分析形而上学」(心の哲学、時間論)の発展によって、ベルクソンがそもそも意図した「実証的形而上学」の意味で『物質と記憶』を読み解く準備が今日ようやく整ってきたことを示す画期的論集。

目 次

はじめに……藤田尚志

序論……平井靖史


第1部 記憶と心身問題(科学認識論・汎心論・局在論)

外界の存在について……ポール=アントワーヌ・ミケル(米田翼訳)
ベルクソンと「記憶の科学」の台頭……三宅岳史
現代から見るベルクソンの二元論……ジョエル・ドルボー(木山裕登訳)
《コラム》ベルクソンの未来……藤田尚志
記憶と歴史――リクールからのベルクソン再読……合田正人


第2部 知 覚(アフォーダンス・認知科学・現在意識)
ベルクソン、ギブソン、そして外界のイメージ……スティーヴン・E・ロビンズ(岡嶋隆佑訳)
ベルクソンと生態心理学――身体の記憶と宇宙の記憶……河野哲也
《コラム》アフォーダンスとベルクソン……檜垣立哉
哲学と認知心理学を定義する――ベルクソン哲学の知覚理論とブルーナーの認知心理学の分析を通して……セバスチャン・ミラヴェット(山根秀介訳)
現在の厚みとは何か?――ベルクソンの二重知覚システムと時間の存在論……平井靖史


第3部 時 間(分析形而上学・物理・出来事存在論)
中立一元論、時間経験、そして時間――ベルクソンへの分析的視座……バリー・デイントン(岡嶋隆佑訳)
ベルクソンにおける収縮概念について――デイントンおよび平井へのリプライ……岡嶋隆佑
何が記憶を一列に並べるのか?……伊佐敷隆弘
共存と時間の流れ……エリー・デューリング(清塚明朗訳)
《コラム》持続と時間……三宅岳史
知覚と記憶の接続・脱接続――デジャビュ・逆ベイズ推論……郡司ペギオ幸夫
《コラム》ベイズ推論と逆ベイズ推論……三宅岳史

《特別付録》われらベルクソン主義者 京都宣言……エリー・デューリング ポール=アントワーヌ・ミケル(藤田尚志訳)


後書きにかえて……安孫子信


人名索引・事項索引


登録情報




  • 単行本: 384ページ
  • 出版社: 書肆心水 (2016/11/7)
  • ISBN-10: 4906917607
  • ISBN-13: 978-4906917600
  • 発売日: 2016/11/7
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