国家は費用を出さない、その代わり地方の都合で六・三制さえ五・四制に変えていいなんて、事実上、国家が公教育を放棄したに等しい。教育の自由化・地方分権化を進めるっていうと聞こえはいいけど、実際には、子どもを塾にやる余裕のある人とない人、都市と地方の格差が開く一方だよ。
公教育の理念さえ放棄しようとする国家をもはや文化国家と呼ぶことはできないだろう。教育さえいささかの躊躇いもなく自由化・地方分権化の名の下に――しかしながら実際にはネオリベ的「民営化」の一環にすぎない――叩き売りに付してしまえる国家は、単なる資本主義国家と呼ばざるを得ないのではないか?
義務教育費負担金移譲 高校経費8400億円で代替 地方は反発
自民党の文教制度調査会と文部科学部会は十八日、三位一体改革で焦点となっている義務教育費国庫負担金八千五百億円の削減に対する代替案として、地方交付税で賄っている公立高校の関連経費八千四百億円を地方へ「税源移譲」する案を党執行部に提示した。与党案として検討した上で首相官邸と交渉するよう求めているが、地方六団体や総務省は「改革の趣旨から外れた内容で論外」と猛反発している。
代替案によると、教職員給与費など公立高校の運営関連費は全国で約二兆千億円(二〇〇四年度分)。このうち、地方交付税分は約八千四百億円で、残りは地方税で賄っている。この八千四百億円を地方税へ振り替えることで「地方交付税への依存度が低くなり、地方財政の自立が図られる」としている。
河村建夫調査会長は記者団に対し「交付税が抑制される中で教育費削減の懸念も出ている。まずそちら(高校分)を移譲し、きちっと自主財源で行うべきではないか」と語った。
これに対し、総務省は「『税源移譲は補助金負担金から』という骨太の方針に反する」と批判。全国知事会も「地方交付税は地方の固有財源で、いわば一般財源。まさに形だけの移譲案だ」と切り捨てた上で「もし地方税に振り替えた場合、財政難の自治体は高校教育費を捻出(ねんしゅつ)できない恐れも出てくる」と反論した。
同負担金は昨年の政府・与党合意で税源移譲の対象となった二兆四千億円の中に含まれているが、削減は暫定扱い。地方六団体は一般財源化を求めているが、文科省や中教審は負担金制度維持を主張。同調査会と同部会も制度堅持の緊急決議をしている。(西日本新聞) - 11月19日2時18分更新
また、もう少し一般的にいうと、この意見にはまったく同感である。
小泉みたいなやつが暴走すると、ある種、国権派と真の民権派が最低限綱領では一致しちゃうわけだ。たとえば、教育は国家の義務だというのは、森喜朗や石原慎太郎が言うとおりだし、公共事業の無駄をなくしつつ、しかし、地方でも安心して暮らせるインフラをつくるのが国家の義務だというのは、亀井静香の言うとおりであって、その点では一致せざるをえない。
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