Monday, February 18, 2013

3/17 川口茂雄『表象とアルシーヴの解釈学』合評会

このたびハイデガー研究会では、来る3月17日に特別企画として川口茂雄さん著『表象とアル
シーヴの解釈学――リクールと『記憶、歴史、忘却』』(京都大学学術出版会、2012年8月)
の合評会を開催する運びとなりました。今回の企画では、ハイデガーをはじめとするドイツ
系ばかりでなく、フランス系の現代思想を研究する多くの方々にもご来場いただき、歴史や
解釈学をめぐる議論を楽しんでいただきたく思っております。またこれが、ドイツ・フラン
ス系相互の哲学的交流のきっかけのひとつになれば、とも思っております。

ハイデガー研究会特別企画
川口茂雄著『表象とアルシーヴの解釈学』合評会

 ガダマーの『真理と方法』刊行以後、解釈学は現代哲学の潮流のなかでも確固たる立場を
得たと言えますが、とくに近年のわが国の若き哲学研究者たちのあいだでは、これまで以上
に厳密かつ精緻に解釈学的事象そのものへ迫ろうとする本格的な考察が始まっているように
思えます。その成果の一つが、川口茂雄著『表象とアルシーヴの解釈学――リクールと『歴
史、記憶、忘却』』(京都大学学術出版会、2012年)です。リクールは、多くの哲学者
・思想家たちとの対決をとおして、そのつど同時代の最先端を行く独自な思想を展開させ、
膨大な著作を書き遺しました。そのためリクール思想の全貌を捉えることは容易ではなく、
なかでも最晩年の大作『記憶、歴史、忘却』は難解で知られています。しかし本書は、多様
な歴史的観点を縦横無尽に駆使してこの大著を読み解きつつ、じつに生き生きとした筆致で
リクールの解釈学的思想の根幹を私たちの目の前に描き出してくれています。そこでハイデ
ガー研究会としても、解釈学的事象をめぐる川口氏のこの卓抜な研究に真摯に学び、また応
答を試みたいと思います。
 今回は、リクールの翻訳も手がける川崎惣一氏(宮城教育大学)、物語論に造詣の深い鹿
島徹氏(早稲田大学)、リクール研究の俊英佐藤啓介氏(聖学院大学)の三名にコメンテー
ターとして加わっていただき、「記憶・歴史・忘却」という各テーマをめぐって、齋藤元紀
氏(法政大学)の司会のもと、会場のみなさんとともに川口氏を囲んで議論を楽しみたいと
思います。解釈学、歴史、そしてひろく哲学に関心を寄せる方々にぜひご参集いただければ
と思います。なお、合評会後は川口氏を囲んで懇親会も開催の予定です。みなさまのご参加、
お待ちしています。

日時:2013年3月17日(日)13:00-17:00
会場:法政大学大学院棟二階201教室
http://goo.gl/8rhfz
http://goo.gl/maps/yKMjr

プログラム
13:00-13:10 著者あいさつ
13:10-14:00 セッション①「記憶」川崎惣一(宮城教育大学)
14:00-14:50 セッション②「歴史」鹿島徹(早稲田大学)
14:50-15:00 休憩
15:00-15:50 セッション③「忘却」佐藤啓介(聖学院大学)
15:50-17:00 全体討議
司会:齋藤元紀(法政大学)

申し込み不要・参加自由。

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