Saturday, November 04, 2000

citephilo2000(k00578)

>mtさん マシュレの話はまたいずれじっくりさせていただきます。
>isさん 真紀子話ありがとうございました。

 今日は目下目前に迫っているあるイヴェントについてご紹介させていただくことにしましょう。リール市を中心とするノール・パ・ド・カレ地域圏において、11月8日から一ヶ月間にわたって開催されるこの"citephilo2000"は、あるテーマに基づいてヨーロッパ各地から哲学者・思想家を招くシリーズの4回目に当たります。

 今回の共通テーマは≪抵抗するとは?≫ですが、開始早々御大K.-O. アーペルが招かれている(今回の最重点国がドイツだからだそうですが)ことからも分かるとおり、ほとんど無限に幅広くこのテーマは解釈されているようです。

 また、fnacが絡んでいることからも推察されるとおり、結局のところ単なる思想書販売促進のための大規模なブックフェアではないのかという拭い去りがたい疑念もないではないのですが、いずれにしても興味深い試みであることに変わりはないので、以下にその日程等の一部を抜粋しておきます(より詳細に知りたいという方は、HPをご覧下さい。www.citephilo.com)。

11月10日(金) 15時30分- ≪哲学に抵抗するもの≫(アラン・バディウ+イザベル・スタンジェール+クリスチャン・ゴダン)   最後の人物は、最近、『全体性』という著書を出したクレルモン=フェラン大学の助教授です。ちなみに、スタンジェールの近作『私がメディアであることを覚えておきなさい』の試訳の一部を近々このMLで読んでもらおうかと考えています。

 18時- ≪エレーヌをすべての女性のうちに見ること、ホメロスからラカンへ≫   (バルバラ・カッサン+モーリス・マティウ+バディウ)

11月15日(水) 12時- ≪市民権≫(バリバール)

 17時- ≪技術と時間≫(ベルナール・スティーグレール+ジャン=ミシェル・サランスキー) 「技術の哲学的・科学認識論的・政治的諸争点を考えることはなお可能か」を論ずる。前者は、ed.Galileeから講演タイトルと同名の著書二冊と『テレビのエコー断層撮影法』と題したデリダとの共著(というよりロング・インタヴュー)を出しているコンピエーニュ工科大学の哲学教授。後者は、元リール第三大学教授、現在パリ第10大学(ナンテール)哲学教授で、近著に『意味の時間』。

11月17日(金) ≪革命の欲望≫(J.-L. ナンシー)

11月24日(金) 15時- ≪道徳感覚、道徳哲学の歴史≫(ローラン・ジャフロ+アラン・プティ)   「道徳感覚?この観念はモラリストたちのキマイラにすぎないのではないのか?18世紀の道徳哲学とそれを駆り立てていた諸論争の歴史を再構成する」。前者はパリ第1大学(ソルボンヌ=パンテオン)助教授。後者は、ブレーズ・パスカル クレルモン第2大学助教授。  

 19時30分- 「ニーチェ、第五の福音書」(ピーター・スローターダイク+マルク・クレポン+マルク・ド・ローネー)

11月25日(土) 16時- ≪イデオロギーの亡霊たち≫(スラヴォイ・ジジェク)

 16時30分- ≪J.-P. サルトルの出口なし≫(アガート・アレクシス+フランソワ・フリマ+ミシェル・コンタ)

11月27日(月) ≪ロバを称えて、あるいはジョルダーノ・ブルーノの燃え尽きた(火刑に処せられた=激情に駆られた)人生≫(アントネッラ・デル・プレーテ+ピエール・マニャール)前者はピサ大学教授で、著書に『ブルーノ、無限、そして諸世界』。後者はパリ第4大学名誉教授。一昨年来あたりから、フランスでもブルーノの全集が対訳版の形で刊行され始めています。日本でも全集と銘打たれたもののうち一、二冊刊行されたはずですが、その後どうなってしまったのでしょう。

11月28日(火) ≪パウル・ツェランをめぐって: 翻訳、解釈、思考≫(J.-P.ルフェーブル+ステファーヌ・モーゼス)

12月5日(火) ≪東欧で崩壊したのは何か≫(ダニエル・ベンサイード+リュシアン・セーヴ)

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