Sunday, April 06, 2008

カミュの「婚礼」

ふたたび走り出そうとした瞬間にまた病がぶり返す、その繰り返し。

今日はようやく以下のエッセイに目を通せただけ。

結婚論 『結婚』(高畠正明訳)と訳されたカミュのエッセイの原題はNoces。1936-37年に書かれ、39年に初版がごく小部数刊行されたというこのエッセイの主題は、しかし、結婚ではなく、アルジェ地方における「人間を世界に結ぶこうした絆」であった。

《雨上がりの夕べ、大地はみな、夏のあいだじゅうその身を太陽に任せたがために、その腹を苦いアマンドの香りのある精液に濡らし、休息している。そしていまふたたび、この匂いが人間と大地との婚礼に捧げられ、ぼくたちのなかに、この世で真に雄々しい唯一の愛をかきたてるのだ。それこそ滅ぶべき、だが高潔な愛だ》(新潮社版『カミュ全集』第1巻、222頁)。

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