Monday, May 28, 2012

6/2 公開シンポジウム「歴史からの問い/歴史への問い──二宮宏之と歴史学」

公開シンポジウム

「歴史からの問い/歴史への問い──二宮宏之と歴史学」のご案内

(東京外国語大学海外事情研究所・日仏歴史学会共催/
岩波書店後援)


 社会史研究が、日本の歴史学界に大きな意味を持ち始めたのは、1970年代後
半のことでした。それまでの歴史学とは、対象のみならず、歴史認識や研究方
法をも異にする歴史学の台頭ということができるでしょう。そもそも、問題意
識が異なり、叙述の方法も異なる歴史学の始動です。
 このことは、ことばを換えれば、この時期に、歴史学の自己点検の営みが開
始されたということでもあります。歴史学とは、どのような営みであるか、と
いうことへの根底からの問いかけと、その実践です。
 このとき、社会史研究を主導し、歴史学の自己点検の営みを実践した一人に、
二宮宏之さんがいました。二宮さんは、フランス史を軸にしながら、広く歴史
学全般に目を配り、その革新を試みました。
 二宮さんの視野と射程は、歴史学から、さらに他の学知にまで及んでいます。
〈いま〉との緊張感を持ち、〈いま〉を問いかける歴史学でした。
 二宮さんの実践は、いまや多くの歴史家たちにとって共通の基盤となり、出
発点になっています。とともに、またまだ検討途上に残されていることもあり
ます。近年、あらたに文化史研究が提起されているのは、そのひとつの証左と
思われます。
 21世紀初頭の〈いま〉もまた、こうして歴史学の自己点検がなされている時
期ということができるでしょう。このとき、二宮宏之さんの歴史学をあらため
て検討し、その作法(さくほう)を考察することには大きな意味があると思い
ます。
 こうした問題意識から、『二宮宏之著作集』(全5巻、岩波書店、2011年)
の編集にたずさわった三名がコーディネーターとなり、別記のようなシンポジ
ウムを開催することにいたしました。二宮宏之さんとは世代を異にし、また足
場を異にする方たちを報告者とし、大いに議論をしたいと思います。二宮宏之
さんの歴史学を論じることを通じての、「歴史からの問い/歴史への問い」の
営みです。みなさまがたのふるってのご参加を期待いたします。



日時 2012年6月2日(土) 午後1時~5時

会場 東京外国語大学 研究講義棟1階 115教室

入場無料・事前申し込み不要

【報告】

(1)長谷川貴彦(北海道大学)「二宮史学との対話 歴史学の転換点に」

(2)岸本美緒(お茶の水女子大学)「二宮史学における比喩とイメージ」

(3)成田龍一(日本女子大学)「認識の歴史学へ――二宮宏之の「作法」」

【コメント】

北原 敦(北海道大学名誉教授)

【討論】

司会:高澤紀恵(国際基督教大学)

コーディネーター(『二宮宏之著作集』編集委員)

福井憲彦(学習院大学)/林田伸一(成城大学)/工藤光一(東京外国語大学)


お問い合わせ

東京外国語大学 海外事情研究所
(西武多摩川線・多摩駅下車 徒歩3分)
〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1
TEL 042-330-5405
E-mail ifa@tufs.ac.jp

No comments: