Tuesday, May 29, 2012

腰が引ける

 

トゥーロンの初戦はビビって完敗!?関塚ジャパンは海外・国内組に格差。

(…)

試合中、関塚ジャパンに一気に広がっていった「恐怖」とは?

大津は体を投げ出すようにチェックに行っていたし、酒井も負傷して途中交代するまで激しく当たり続け、相手にほとんど前を向かせなかった。トルコ も日本がボールを持てば、ファールも辞さない強さで体を思い切り当てていた。特に、ボランチの2人はほとんど体当たりだった。ピッチに転がる大津らを見 て、国内組の選手が何を感じたのかは容易に察しがつく。
 それは、恐怖である。
 酒井高徳は言う。
「自分もブンデスに行った頃は、相手に当たった時とか痛くて、恐怖心もありました。当たりの部分で、体が逃げている部分があったんです。それがある と、体をうまく入れ替えられたり、五分五分のところで相手にボールが転がったりする。だから、今日のみんなの逃げるような感覚は分かります」
 特に前半、選手たちのビビリ具合は顕著だった。

フィジカルコンタクトを避け、焦りでミスを連発し……。

いつもはボールを保持する姿が目立つ東慶悟は、フィジカルコンタクトを避けるようにプレーし、ほとんど目立たなかった。山本康裕とセンターバック 2人も単純なパスミスを繰り返した。あわてずにプレーすれば良いのだが、相手の勢いに焦り、慌てて蹴ってミスをする……その繰り返しだったのである。
 水沼宏太も、それが敗戦の原因のひとつであるということを認識していた。
「このチームで国際大会を戦うことは少ないですからね。欧州だったり、球際に激しく来るチームとかにビビるというわけじゃないですけど、セカンドボールへの球際や出足の遅さが出ていたのも確かで。そういう差が勝敗に出たのかなと思います」
 水沼の言葉にあるように、この世代の日本の選手たちは世界という舞台で欧州のチームと戦った経験がほとんどない。彼らはアジアユースで敗れ、U- 20W杯を経験していない世代なのだ。それゆえ、欧州の選手に対する免疫がほとんどなく、アジアで経験したことのない当たりの凄さに面食らってしまった。 それが腰の引けたようなプレーになって、こんな時期に露呈してしまったのだ。 

ゴールへの意欲という点で、海外組と国内組とでは大きな差が。

海外組と国内組の間にもうひとつ違いが表れたのは、ゴールへの意欲だった。
 大迫勇也も当然ゴールを狙っていただろうが、とにかくトラップミスが多く、強引にでも打つという意欲が感じられなかった。東もフィニッシュに絡むシーンが少なかった。
 一方、後半になって攻める気に溢れる齋藤学が入り、さらに指宿洋史と高木善朗が入って前線に海外組が増えてくると、彼らに引きずられるようにプレーにアグレッシブさが戻ってきた。
 大津は言う。
「相手にビビっていては何も生まれない。自分の役割が何かを考えないと。役割がゴールを狙うことであれば、それで結果を出さないとドイツでは次からは使ってもらえない。だから海外組はアグレッシブに行くんだと思う」
 国内組にとっても、この大会は本大会の出場メンバーを決める最終選考の場として非常に重要なはずである。相手の勢いにビビって前に出れないというのであれば当然、本大会メンバー18名の枠には入れない。そのことは当然、理解していると思われるのだが……。

No comments: