Thursday, October 23, 2014

11/24 国際シンポジウム「大学教育の国際化とは何か」@京大

京都大学人間・環境学研究科学際教育研究部主催
国際シンポジウム「大学教育の国際化とは何か」

趣旨
 グローバル化の加速する現代世界において,留学生は年を追うごとに増加し,研究者の交流も年々活性化している。これに加えて,大学ランキングの隆盛は大学教育の市場化に拍車をかけている。今や大学の国際化は教育者,研究者だけではなく,政財界の注視の対象ともなっている。
 これに加えて,ヨーロッパでは1999年のボローニャ宣言にもとづき,欧州高等教育・研究空間が創設され,大学の国際化が進行している。しかしながら,この一連の大学改革は大学人に当惑をもたらしている。いったい大学の国際化とは,大学が外部の圧力を受けて進めざるを得ない現象なのだろうか。これは特に大学における言語という課題に現れている。大学は外国からの学生,教員,研究者を受け入れるために,どの言語を選択すべきだろうか。そこにはどのようなメリットやデメリットがあるだろうか。大学のキャンパスでは,1つの言語だけを優先させるべきなのだろうか。それとも多言語主義を実践すべきだろうか。いずれの場合であれ,国語にどのような地位を与えることが望ましいだろうか。
 言い換えると,グローバル化の時代において,大学はどのような言語政策を選択することで,学生の要望をかなえると同時に,高度な教育研究のレベルを確保することができるだろうか。大学の国際化とは,単に財政や経営の問題だけではない。これは,言語や文化の位置づけに関わる課題であり,コミュニケーションや教育言語にも関わる課題でもあり,その役割や地位を問いただすものでもある。
 京都大学では,外国人教員100人計画に代表される大学の国際化が進みつつあり,さらにスーパーグローバル大学のかけ声も踊っている。しかし英語による授業の開講だけが国際化を意味するのか。この教育により国際化は進展するのか。そもそも大学の国際化とは何を意味するのか。
 大学の国際化について,高等教育政策について寺島隆吉先生の見解を披露していただく。それをうけて,ヨーロッパの視点,英語とフランス語を事実上の公用語とするモーリシャスなどのケースを振り返り,京都大学の国際化を問い直す。

日程11月24日(月)15時より
京都大学人間・環境学研究科棟地下大講義室
挨拶 京都大学人間・環境学研究科研究科長 高橋由典
司会 西山教行(京都大学)
基調講演(15:10-16:00)
寺島隆吉(元岐阜大学,国際教育総合文化研究所)「大学教育の「国際化」は「創造的研究者」「グローバル人材」を育てるか」
指定討論者:ジャン=クロード・ベアコ
司会:塩塚秀一郎(京都大学)
休憩(16:00-16:15)
シンポジウム(16:15-18:00)
講師
ジャン=クロード・ベアコ(フランス,パリ第3大学名誉教授,京都大学客員教授,言語教育学,欧州評議会言語教育政策顧問)「言語政策の当事者としての大学の責任とはなにか」
クロード・トリュショ(フランス,ストラスブール大学名誉教授,言語教育学,日仏会館招へい研究者)「高等教育の英語化についてーその動機,結果,代案,展望」
ラダ・ティルヴァッセン(南アフリカ,プレトリア大学教授,日本学術振興会短期外国人招聘研究者,言語教育学)「大学の国際化と英語化は同じ意味か?」
大木 充(京都大学)「京都大学の国際化とは何か」
司会:多賀 茂(京都大学)
日本語とフランス語による討論,同時通訳付き
参加費 無料

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