Sunday, December 24, 2006

いじめ-教員への(スクラップブック)

あがるまさん、そうですね、世界の教育状況にも目配りをする必要がありますね。フランスの教育状況については幾つかの有益なサイト、ページがあります。私自身も少しずつでも教育関係の著書をここで紹介していければと思っています。hf



「不適格教員」?「排除」?「厳しい措置」?ファシスト国家や共産主義国家に住んでいるわけではないのだ。本当にこんな表現を用いていいと思っているのだろうか?

(安倍政権の好きな言葉「厳しい措置」が北朝鮮といい勝負の大時代的な表現であることには嘆息しつつもあらためて注意を喚起しておこう。)

政府が上手に「誘導」しているわけだが、この国の人々はどこまで公務員、とりわけ教員に八つ当たりすれば気が済むのだろうか?では、「勤労意欲や指導力を欠く不適格社員の排除」という表現を用いていいとでも?このような表現を用いさせる社会の雰囲気こそがいじめを助長していることに気づかねばならない。各種新聞で指摘されていることだが、大人の社会にすらいじめがあるのに、子供のいじめを根絶できるはずがない。これは教員に対するいじめである。

指導力欠く不適格教員を排除=いじめに厳格対応-中間報告の骨格固まる・再生会議
 政府の教育再生会議(野依良治座長)が来年1月にまとめる中間報告の骨格が9日、固まった。教育意欲や指導力を欠く不適格教員の排除を明記。児童・生徒の相次ぐいじめ自殺問題への対処としては、問題行動を起こす子どもに対し「出席停止」を含む厳しい措置を取るとともに、教育委員会制度の抜本的な見直しも盛り込んだ。また、学力向上のため学習指導要領を改定し、現行の「ゆとり教育」も改めるよう求める。 (時事通信) - 12月9日19時0分更新


<教員意識調査>会社員以上に、仕事に満足感と多忙感
12月12日0時33分配信 毎日新聞

 公立小中学校の教員は会社員よりも仕事に満足感を得ていると同時に、多忙感も感じる傾向にあることが11日、文部科学省の調査で分かった。また、教員自身は勤務実績などで給与に差をつけることを否定的にとらえているが、保護者は肯定的ということも分かった。
 文科省は10月、全国354校の公立小中学校教員8976人(回収数8059人)と保護者1万4160人(同6723人)を対象に意識調査を行い、平均点を算出。中央教育審議会の「教職員給与の在り方に関する作業部会」に中間報告した。
 中間報告によると、「仕事にやりがいを感じている」と答えた教員が5点満点で平均4.23点だった。一方、「仕事が忙しすぎて、ほとんど仕事だけの生活になっている」のは3.75点となり、調査会社が所有している会社員のデータと比較すると、教員は会社員よりも満足感と多忙感を同時に感じているという。
 また、「指導力不足教員らに給与などへの反映が必要」と考える教員は3.37点。保護者への同種の質問では4.41点となり、両者のかい離が際立った。【高山純二】
最終更新:12月12日1時23分


<いじめ自殺>教委に理由「不明」と報告した元校長の苦悩
 
 女子生徒がいじめを示唆するメモを残し命を絶った苦い経験を持つ元校長(61)が、一連のいじめ報道を受けて取材に応じた。生徒の死はいじめと関係があると遺族に説明したが、教育委員会には自殺の理由を「その他(不明)」と報告した。「(報告は)あれでよかったのか。彼女はなぜ死に急いだのか。いろんな思いが今も頭から離れません」。退職した後も、心穏やかに過ごせないという。【井上英介】

 東日本の公立中学校に校長として勤務していた時のことだ。初夏のある日、教え子の女子生徒が自宅で亡くなった。自室にあったノートに「死にたい」と書かれ、級友たちから害虫呼ばわりされたことなどを苦にする記述があった。
 遺族からノートを見せられ、級友への聞き取り調査で生徒が不快なあだ名で呼ばれていた事実を確認した。「いじめはあった。自殺と関係があると認識している」と遺族に説明し、保護者会でも報告した。
 「お母さんは泣き崩れ、私も泣きました。あだ名で呼ばれたのは短期間だが、ささいなことでも本人が嫌だと思えばいじめです」
 教職員とともに誠意をもって対応し、いじめた子も親とともに謝罪、月命日のたびに焼香に訪れたこともあって、遺族の一定の納得は得られた。半年以上かかって学校は落ち着いたが、一人でいる時にぼんやりと生徒のことを考え、はっと我に返るようなことがしばらく続いた。
 いじめ問題への文部科学省の取り組みに、疑問を感じないではない。「いじめかどうかを判断する認定基準が厳しすぎる。『いじめがいじめではない』という極めて奇妙な結果を導き、現場を誤らせかねない」
 文科省は「自分より弱い者に対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じている」という認定基準を定めている。だが、基準とは別に「いじめか否かは、子どもの立場に立って判断せよ」と何度も現場に呼びかけ、教育現場に混乱を招いている。
 「教員はみな基準を頭に刻みつけている。なぜ実態に即したものに変えないのか。いじめの芽を見逃しかねない」。現役時代、日ごろから教員たちに「いじめの小さな前兆を見逃すな」と言ってきた。それでも前兆を察知し、防ぐことができなかった。
 教え子の死から半年以上たち、教委にいじめがあったことを報告した。しかし、自殺については「主たる理由を一つ挙げよ」との指示に基づいて「その他」とした。「いじめは理由の一つだとは思うが、主たる原因だったのかどうか……学校は警察ではない。真相究明は難しい」。対応が正しかったのかどうか、答えは出ていない。(毎日新聞) - 11月12日7時41分更新

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