福岡近在のみなさまにお知らせです。
来たる3月19日に九州日仏学館にて、詩人・思想家ミシェル・ドゥギー氏と訳者・丸川誠司氏による講演会が行われます。また、ドゥギー氏がCIPhに深く関与していたこともあり、ドゥギー氏の思想、それを取り巻くフランス現代思想の状況をより深く理解していただくべく、講演会に先立ち、西山雄二さんのドキュメンタリーフィルム『哲学への権利』が上映されます。
哲学と制度をめぐるきわめて興味深い考察でもある――すでにこのブログの昨年12月26日付のポストで映画評を書きました――本映画の上映会から始まり、詩作と思索の間を自由に行き来するドゥギー氏の講演会まで、ぜひ足をお運びいただけますよう、お願い申し上げます。
九州日仏学館上の情報(以下に貼り付けました)
西山さんのHP「哲学への権利」上の情報
UTCP上の情報
ミシェル・ドゥギーによる朗読会&講演会+『哲学の権利』上映会
Lecture publique et conférence par Michel Deguy
日時:3月19日(金)17時
会場:九州日仏学館5F多目的ホール
フランス語による講演会(日本語通訳つき)
入場無料(要予約)
ご予約・お問い合わせ:092-712-0904(九州日仏学館)
1960年から2007年までの代表作のアンソロジー、『愛着』(丸川誠司訳、書肆山田)の翻訳出版を機に、ミシェル・ドゥギー本人が九州日仏学館に来館。自身の詩作の朗読を通し、詩や哲学的思考の間でのためらい、人生、ことばの持つ力への深い愛着などについて語ります。現代フランス詩界で最も重要な人物の一人であるミシェル・ドゥギーは、40冊を超える著作を発表し、マラルメ賞、仏国家詩人賞ほか多くの賞を受賞しています。
また講演会に先立ち、17時から映画「哲学への権利」の上映会、18時30分からはミシェル・ドゥギーと映画監督の西山雄二氏のティーチインも行いますので、どうぞご参加下さい。
17時より映画「哲学への権利―国際哲学コレージュの軌跡」(フランス語・日本語字幕、93分)
18時30分~19時ミシェル・ドゥギー氏と映画監督・西山雄二氏のティーチイン(司会:藤田尚志氏)
19時よりアンソロジー『愛着』(書肆山田)邦訳出版記念ミシェル・ドゥギー氏と翻訳者・丸川誠司氏による講演会
ミシェル・ドゥギー 略歴1930年パリ生まれ。現代フランスを代表する詩人・哲学者で、パリ第八大学名誉教授。その一方でパリの国際哲学コレージュ、作家会館の代表などを歴任。詩と思想の雑誌、『Poésie』を1977年に創刊、以降編集長を務める。著書は1959年の「銃眼」から2007年の「作業再開」に至るまで約40冊を数える。邦訳された作品は、単著『愛着』(丸川誠司訳、書肆山田刊)、『尽きせぬ果てのものへ』(梅木達郎訳、松籟社刊)共著『崇高なるもの』、『ルネ・ジラールと悪の問題』(いずれも法政大学出版局刊)。
丸川誠司 略歴早稲田大学准教授。仏現代詩研究。今回出版されたミシェル・ドゥギー著『愛着』(2008年)の翻訳者である。主な著書にLa saisie de la matière dans la poésie d’André du Bouchet, Jacques Dupin et Philippe Jaccottet (Presses universitaires du Septentrion, 1999) 、主な論文に“Penser et traduire, figurer et transfigurer”, Michel Deguy : l’allégresse pensive (2007)などがある。
映画「哲学への権利」1983年にジャック・デリダがパリに創設した研究教育機関「国際哲学コレージュ(Le Collège international de Philosophie)」をめぐる初のドキュメンタリー映画。この研究教育機関の独創性を例として、本作品では、収益性や効率性が追求される現在のグローバル資本主義下において、哲学や文学、芸術などの人文学的なものの可能性をいかなる現場として構想し実践すればよいのかが問われる。監督・西山雄二が歴代議長ミシェル・ドゥギーを含む関係者7名へのインタヴューを通じて、大学、人文学、哲学の現在形と未来形を描き出す。
公式HP:「哲学への権利」
西山雄二監督招聘に関する協力:東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」(UTCP)
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