Tuesday, January 15, 2013

【クリップ】シュウカツいろいろ(1)

2014年新卒の就活「企業の就職ナビ離れ」がさらに進むと専門家

2012/11/30 23:54更新
 12月1日から、2014年に卒業する学生たちの就活がスタートする。企業の採用活動も大きく様変わりしそうだ。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が新年度就活・採用活動をレクチャーする。

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 もうすぐ12月。いよいよ12月1日から、2014年新卒の就活が本格スタートします。何が起こるのか、起こりそうなのか。トピックスを紹介することにしましょう。

  大きなトピックスは「企業の就職ナビ離れ」でしょう。企業の採用活動において、リクナビ、マイナビなどの「就職ナビ」の優先度が低下する傾向が顕著です。 HR総合調査研究所の調べによると、2012年卒から2013年卒にかけて、就職ナビについてこれまでと変わらず中心的役割」と答えた企業が 69%→55%へと大きく減少しました。「今後は見直す」という回答もすべての企業規模で15~18%の割合に達しています。

 2014年 卒ではこれがさらに加速しそうです。やはりHR総合調査研究所の調べによると、2014年卒採用で「特に注力する採用施策(複数回答)」は「学内企業セミ ナー」が1位で55.8%「自社セミナー・説明会」が2位で54.5%。これまで1位だった「就職ナビ」は3位で28.3%になっております。
 もっとも、就職ナビには、応募を受け付けるシステムという役割もありますし、完全にゼロにはなりません。ただ、明らかに企業の側での優先順位は落ちていると感じます。今年は、リクナビ、マイナビの両方に掲載する企業もどうやら減りそうな予感です。
 よく日本の就活の画一性や気持ち悪さを語る論拠として、就職ナビや合同企業説明会の存在があげられ、テレビや新聞で就活問題が紹介される際もよく取り上げられましたが、これが全てではないといえそうです。

 企業はより学生との距離が近い採用活動に回帰していると言えるでしょう。

  昨年度話題となり、2012年ユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされた「ソー活」ですが、今年は話題にもなりません。前出の調査によると、企業側で 注力すると答えた企業は3.9%にすぎません。もっとも、学生が社会人と会う手段として、また、企業が優秀学生を探す手段としては有効ではあり、残ること は残るでしょう。

 就活の時期については、実は一部の企業はもうインターンシップや早期型セミナー、OB・OG交流会、内定者との懇親会な どを通じてアプローチを初めていますし、選考を行なっていたりもします。12月から本格スタートなのですが、恐らく今年も大手企業を中心に短期決戦になり そうな予感です。ただ、複数の日程を用意する企業は昨年同様、ありそうですね。

 なお、昨年から倫理憲章が変更になり、大学3年の12月に 広報活動開始となったわけですが、その影響からか、学生の自己分析、業界・企業分析不足を指摘する声が多数ありました。今年は、学生のその段階での仕上が りではなく、学生に深くヒアリングすることにより、よいところを引き出そうとする企業が増えそうです。

 以上、データと、企業の採用担当者や大学関係者の声をもとにお届けしました。

 学生さんにオススメしたいのは、まずは4年生の先輩の話を聞くことです。もちろん、昨年はスケジュールが変更になった1年目だったので、やや特殊要因もありますが、どうだったのかを聞いておくべきでしょう。また、優先順位付けと健康管理も大切に。

 採用活動の浄化、健全化が少しでも進むことを祈るばかりです。学生の皆さん、応援しております!

就活人気ランキング上位社への就職 将来は「死に場」と指摘

2011.12.29 07:00

2011年12月1日から13年春卒業予定の大学生の就職活動が“解禁”となった。「就職氷河期」といわれて久しいが、いま学生は、どんな企業を目指すべきなのか。大前研一氏が解説する。

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就職情報会社などが発表している人気企業ランキングは「入ってはいけない企業ランキング」だと心得るべきである。

人気企業ランキングは先行指標ではなく“遅行指標”だからである。実際、この30年を振り返ると、ランキングで上位に入った企業の大半は、すでに衰退している。

たとえば、私の早稲田大学理工学部応用化学科の同期生の多くは、当時人気のあった繊維産業や化学産業の企業に就職したが、それらはその後20年以内 にことごとく「構造不況業種」になった。つまり、ランキング上位企業に入るということは、最初から死に場を求めているようなものなのだ。

したがって、いま就活中の大学生には、人気企業ランキングに登場していない企業、みんなが注目していない企業を調査・研究し、その中から自分の半生を賭けるに値する面白そうな企業や自分がトップになれそうな企業を探すことを奨めたい。

言い換えれば、有名企業に入るという希望を捨て、知名度はないが有望な原石がいくつかある会社に入って自分がピカピカに磨く、という考え方に転換すべきなのだ。

※週刊ポスト2012年1月1・6日号

就活ネタ作りの学生 自分探しにインド、授業出る学生を嘲笑

2012/12/27 10:54更新
 大学生・大学院生を対象にした、2013年卒の大卒求人倍率調査によると、今年の大卒求人倍率は1.27倍。前年の1.23倍よりもわずかな上昇を見せた。求人倍率が前年度比で上昇したのは、リーマン・ショック時の2008年卒から5年ぶりだ。

  前年比で上昇したからといっても、やはり厳しい就職状況であることに代わりはない。そうした中、就職活動における「自己PR」にこだわりすぎるあまり、本 末転倒な学生時代を過ごす大学生が多いのだという。昨年就職活動で10社の内定をゲットした有名私立大学卒のAさん(男性)はこう語る。

 「自分の周りでは大学1年生の頃からイベントを企画したり、コンペを開いたり、いかに自分の“履歴書”のネタを増やすか勝負、みたいな学生が多かったですね。就活で話すネタ作りのために、大学2年で日本一周をした友人もいます。

 ただ、大学に入ってすぐ人脈人脈って、そればっかりの友だちには正直引きました。結局、そいつは“自分探し”のためにインドに行って、その写真をFacebookに自慢げに上げていました。結局ベンチャー企業に入ったみたいだけど、すでに辞めたいと考えているようです」(同前)

 せっかく厳しい就職活動を勝ち抜いたにもかかわらず、すぐに辞めたい若者が増えている背景には、“シューカツ”という異様な空気が醸し出す強迫観念も影響しているのでは、とAさんは続ける。
 「個性的な自分、他の奴よりキャラが立ってる自分、人より“エッジが効いてる自分”。今思えば、本当にバカバカしいですけど、そういう姿を必死で良いと思わせてしまうムードが“シューカツ”にはあると思います。

 それが酷くなると、授業を受けて勉強する、こういう当たり前の学生生活を嘲笑するような人たちもいましたね。本末転倒だな、と思いましたが、自分にとっても笑い事ではありませんでした」(同前)

 大学生活のほとんどを“シューカツ”に費やした学生たちは、就職後、いったいどんな人生を送るのだろうか。


茂木健一郎氏「早すぎる就活は本末転倒でシュールで不条理」

2010.10.03 17:00

夏から秋となり、大学生の就職活動も本格化する。そして、その主役は3年生だ。そうした早すぎる就職活動に、脳科学者の茂木健一郎氏は異議を唱える。茂木氏の主張とは…。
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 年々、日本の就職活動が早まっているらしい。3年生の秋からエントリーし、説明会などが始まると聞いていたが、最近では3年の夏休みにもう「インターン」という形で企業と関わるらしい。
 早すぎる就職活動が大学での学びに重大な影響を与えている。学問が一番面白くなる時期に、就活に時間をとられる。授業やゼミがうまく立ちゆかなくなると聞く。
 内定が出てから、ようやく落ち着いて卒業研究などに取り組む。これでは本末転倒である。
 企業の不可解な「新卒偏重」がこのような事態を招いている。年齢制限があるのに加えて、「卒業見込み」でなければそもそもエントリーできないという会社も多い。
 このため、「新卒」という「資格」を失うまいと、就活のためにわざわざ留年する学生まで出てくる。日本ならではの、シュールで不条理な風景がそこにある。
 
※週刊ポスト2010年10月8日号


内定辞退者に「おまえのせいで計画が狂った」 圧力、罵詈雑言…違法すれすれ

産経新聞 1月14日(月)9時0分配信
 「おまえのせいで、育成計画が狂ったんだぞ。どうしてくれるんだ!?」

 内定辞退を告げた学生は、内定者リストおよび育成計画を見せられて、人事にこう言われました。

 内定辞退者に対する企業のこのような風当たりは、強くなる一方です。内定辞退は、職業を選ぶ権利を持つ学生にとって合法です。強制的に引き止められない 企業は、違法すれすれの「引き止め」や「腹いせ」に走るようになりました。このような時代になった背景には、どのようなものがあるのでしょうか。

 近年は学生の大手志向が強くなった影響で、一部の企業に学生が集中しています。結果として、内定を獲得できない学生が増え、就職活動生の危機感をあおる ことになりました。さらに、リーマンショック後は「内定取り消し」という行為を企業が行ったため、企業への強い不信感が学生に募るようになりました。

 こうした状況は、就活のやり方をどう変えたでしょうか。リスクヘッジをしなくてはならなくなった学生は、数多くの企業を受け、数多くの内定を獲得すると いう行動に出ました。つまり、質より量を求め始めたのです。そして、企業が新卒に求める人物像が似通っている関係で、一部の学生に内定が偏るようになりま した。複数社の内定を保持している学生であっても、当然ながら入社できるのは1社しかないため、その他企業は辞退する必要が出てきます。こうして、多数の 内定辞退を生み出す状況になりました。

 企業によっては、大手であっても6~7割の内定辞退が出ているのが現実です。これでは、1年前から莫大な予算をかけて準備してきた企業にとっては、た まったものではありません。こうなると、企業側も対抗措置を講じてきます。学生が安易に内定辞退することに対し、企業も感情的に対応するケースが増えてい るのです。以下は、実際に学生たちから聞いた話です。

 1. 某大手金融機関A社に内定辞退を伝えたところ、「どこの企業に行くのか?」と聞かれた。入社予定のB社の社名を伝えたところ、A社の取引先の企業であったため、圧力をかけられた。これにより、A社とB社の内定を失う結果となった。

 2. 某大手食品会社C社の内定を辞退したところ、椅子に座らされ、人事数名に1時間におよぶ罵詈雑言を浴びせられた。

 3. 某大手金融機関D社に内定辞退を伝えたところ、その場はいったん保留にさせられた。後日、研究室に行く際、人事が校門で待っていた。一緒に教授のところまで案内させられ、教授にあいさつをして帰っていった。お世話になった教授を裏切れず、そのまま入社を決意した。

 1の場合、信義則違反の範疇を超え、ほとんど違法すれすれの域に達した行為といわざるを得ません。いくら企業側があたまにきたとしても、学生にとって一生の問題である内定の取り消しにつながるような行動を取る権利があるはずはありません。

 また2も、学生にとっては不必要に不愉快な思いをさせられたわけですから、笑って済ませられるケースではありません。3はより陰湿なケースですが、こう までして内定者を引き留めたとしても、結局企業側にとっても内定者にとっても不幸な結果に終わるだけでしょう。このように、企業側も紳士的とはいえない対 応をとるケースが増えてきています。

 新卒の採用活動が構造的に改革されるか、大手企業入社へのハードルが低くならない限り、この負の連鎖は続くでしょう。このような新卒の採用活動における 欠陥は、「就職氷河期」だけでなく、学生が無作為に企業を受検することによる「入社後のミスマッチ」まで生み出すようになってしまいました。ミスマッチ は、もはや企業側の改善努力だけに任せておけない状況です。学生がじっくりと自分にあった企業を探せるようになるためには、企業や学生だけでなく、政府機 関も一体となって、改善していく必要があると思います。(内定塾講師 石橋正行)

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