Wednesday, January 11, 2012

ある教師の一日

今日は朝1限は輪講の締めくくり。平然と遅れてくる学生が続出するも、講義をしてくださる先生方の手前、怒ることができず、非常に不満が溜まっていたが、今日に限ってあまり遅れてこない。私が怖いからというのもあるが、「レポートは授業開始と同時に集める。遅れてきたら受け取らない」と宣言したからでもある。現金なものだ。

授業では学生たちに書いてきたレポートを即興で発表してもらい、内容やプレゼンの技法について指導。こういう発表させる授業、インタラクティヴな授業だと、学生たちの顔が生き生きとしてくることは百も承知なのだが、他方で、講義形式の授業に対する忍耐力の低下は本当に著しい気がする。

2限は学生二人と勉強会。和辻の人格論文の続きを読む。割とみっちり読んでいるので、あまり進まないが、この手のゆっくりした読解は好きだ。

3限は正規のゼミ(学生はSさん, Sさん, N君, Y君, K君, Wさん, I君, T君の8人)。冬休み明け最初のゼミなので、冬休みをどう過ごしたか、新年の抱負などを順に語ってもらう。

来年からK大の院に行くことが決まったSさんは、「年末から突如、村上龍以来の活字熱が再来し
お正月は、ソポクレス・イプセン・モーパッサン・ゲーテ・サリンジャーetc 時代も場所もランダムに「なんとなく読みたかった」基準で、海外文学十数冊に読み耽っていました。ただ全く哲学離れしていた訳ではなくて、フロイト『精神分析学入門』、ニーチェ『この人を見よ』、ハイデガー『存在と時間』(4分の1で挫折してしまいましたが)などなども読んでみました。英語・ドイツ語はぼちぼち、フランス語は『星の王子様』楽しく読み進め中です。」とのこと。


今日はベンヤミンの『複製技術』の5・6節を読む予定だったのだが、発表担当者がF大の学生さんで、遅れてやってくるため、N動画で話題になっていたという事件についてY君が学生たちと現代の若者とネットの関係について分析。

まあ、来年度はルソーの『社会契約論』を読む予定なのでいいかと(昨年はデカルト、今年はライプニッツ、とちゃんとフランス哲学の講読をしている)。

しかし、なんかああいう救いのない(しかしまあ大局的にはありふれた)母子喧嘩を見ていると、気が滅入った。ほのぼのした親子喧嘩を見せたい、という口実のもとに、落語を見せる。

新春の落語と言えば、「初天神」である。喬太郎バージョンと小三治バージョンを見比べる。

結局、議論が白熱したこともあって、3限はこれで終了。

4限、というか、5時までほとんどの学生が残り、ベンヤミンをきっちり読んで終了。熱心ないい学生たちです。

9時から5時まで、これだけの密度で活動すると本当に疲れる…。

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