Monday, January 30, 2012

カタストロフは精神の眼そのもの

青森県大間町に建設中の大間原子力発電所に待ったをかけたのは、津軽海峡を挟んで対岸にある北海道函館市だ。

大間原発から青森市まで80キロ、八戸市は100キロ以上離れているのに対し、対岸の函館市は最短で約23キロ。

「ずっと蚊帳の外」の状況を変えようとするきっかけになったのは東日本大震災だった。ということは、それまでは、作る側(大間)のみならず、近くに作られてしまう側(函館)にも「見えて」いなかったのだ。

「市中心部に近い大森海岸からは、天気がいいと対岸に大間町がくっきり見える」のに、それまでは見えていなかった。ある函館市民は、「昨秋、改めて海岸に立って原発建設地との近さにがくぜんとした」。

カタストロフは日常の時間を切断し、今まで目の前に存在していたにもかかわらず、私たちが見ようとしなかった現実を見せる。

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