Tuesday, April 17, 2012

4/21 第2回ひらめの会@九大・大橋キャンパス

2012年 第2回ひらめの会 開催します。

今回は、実力ある語り手の方々をお迎えし、身体論を中心に議論したいと思います。
日時 2012年4月21日(土) 午後1時から午後6時まで
場所 九州大学大橋キャンパス2号館3階会議室(予定・変更あり)
http://www.design.kyushu-u.ac.jp/kyushu-u/watch/campus

「身体とその思考」


身体論には二つの観点があります。一つは精神と物質という二元論の観点から身体を論ずるものです。精神が肉体を制御するのか、それとも肉体が精神を 条件付けるのか。この論点は、観念論か経験論か、演繹主義か帰納主義かという哲学史の主要な問題と直結しています。また、経済的・物質的な下部構造と文化 的・思想的な上部構造とがどのような関係をとるのかというマルクス主義の問題ともつながっています。現象学以降の近年の身体論は、これら両者の二者択一で はなく、両義性や相互媒介性といった構えによって身体を論じます。両者の矛盾拮抗を身体においてどのように表現し解決するのかが、身体論のみどころです。
もう一つの論点は、人工的制度とそれを乗り越える自然という対立軸です。身体は社会によって媒介され、その歯車として機能する一方、その不正や過剰 を告発する外部、根源的な生命の次元を指し示すものでもあります。マルクスの身体論においても、身体は剰余価値の源泉であると同時に、その価値の社会的評 価の不正を告発する根拠でもあります。よりよき生のあり方、ひらかれた倫理を探求するよすがとして、身体への着目がクローズアップされています。
今回は、伝統的な武道やダンスなどを題材として、こうした身体を論じてみたいと思います。それぞれの発表予定者の論文を事前にお読み頂いてご参加下さい。論文は下記の発表題名よりリンクする予定です。(古賀徹)

話題提供の方々
尹雄大(フリーランサー)
生きるための文=体
体はいつも概念の外にある。当たり前で忘れられているその事実を改めて体で捉える
森山達矢(社会学)
技の感覚を伝達する実践の記述—言葉・身体感覚・精神性
岩切朋彦(文化人類学・社会学)
近代における「武徳イデオロギー」と武道の誕生
古賀徹(哲学)ダンスする技術

お話し頂ける方々の紹介
尹雄大 (ユン・ウンデ)さん
インタビュアー&ライター。ミュージシャンや俳優をはじめ、学術研究者、アスリートなどにインタビューを行ってきた。『AERA』や『Number』、日 経BPオンライン、「考える高校生のためのサイトMAMMO TV」等で執筆。 キックボクシング等の格闘技を経て、武術研究家の甲野善紀師範のもとで剣術や体術を学ぶ。現在は中国武術・韓氏意拳を学んでいる。著書に『FLOW-韓氏 意拳の哲学』(冬弓舎)。オフィシャルサイト:http://nonsavoir.com/
森山達矢さん
社会学を専攻し、身体論をテーマとしています。現在無職。合気道参段。「R.シュスターマンの身体論――感性的領域の社会学的分析という観点から」「マン ガにおける格闘技と暴力の表象」「身体感覚研究の可能性――スポーツ社会学における研究を踏まえて」など、身体論に関する各種の業績があります。
岩切朋彦さん
1977年生まれ。当初はスポーツとの比較で武道の独自性を唱えてきたが、オーストラリアの合気道道場のフィールドワークを経て考えを改め、武道の伝統を 相対化する議論を展開するようになる。「武道の近代と「伝統」の文化ポリティクスー柔道・剣道・合気道の近代と「伝統」に関する考察」など。西南学院大学 大学院博士研究員。

*6時半過ぎから懇親会を予定しています。場所はオシャhttp://r.gnavi.co.jp/f209200/です。参加ご希望の方は、お店に予約の関係もありますので、かならず4月17日までに石井さん(sharanoka アット gmail.com)までご連絡ください。

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