Wednesday, April 11, 2012

【クリップ】安易な海外移籍決断に異を唱える

まあ、現状の日本の人文学の状況から言えば、「安易な国内残留→指導教官(親しい先生)にゴマスリ→就職斡旋」のほうが憂うべきことだと依然思うものの、たしかに下記エッセイには一理ある。以下、一部抜粋(全文はこちら)。

安易な海外移籍決断に異を唱える、
広島・ミキッチのJリーグ主義。

木崎伸也 = 文

現実を知るからこそ、無条件の海外志向に異を唱える。

「香川真司のように、ドルトムントみたいなビッグクラブからオファーがあれば移籍するのはわかる。だが、そうではないクラブだったら話は別だ。ヨー ロッパで12年間プレーした自分の感覚からしたら、アウクスブルクやベルギーリーグのチームのクオリティーはJリーグより下だ。自分からしたらケルンもそう。ヨーロッパならどこでもいいという感覚が理解できない」
正確に言えば、現在アウクスブルクでプレーしている細貝萌は、レバークーゼンからのレンタルで、始めからアウクスブルクを選んだわけではない。ただ、おそらく詳しい事情を知らないミキッチからしたら、浦和→アウクスブルクというルートに納得できないのだろう。

欧州よりもJリーグが優れている点にも目を向けるべき。

そして彼にとって特に不可解だったのが、伊野波雅彦が昨年7月に鹿島アントラーズからハイデュク・スプリトへ移籍したことだった。
ミキッチはさらに語気を荒らげて言った。
「クロアチアリーグと比べたら、Jリーグのレベルの方がはるかに高い。唯一ディナモ・ザグレブだけはヨーロッパで戦う力があるが、他のチームは運営 面や給料の支払いで問題だらけだ。それに対して鹿島は日本のビッグクラブで、ものすごく運営がしっかりしている。鹿島からハイデュク・スプリトを選ぶ理由 なんてないはずだ」
最後にミキッチは、こう締めくくった。
「伊野波は今年2月にJリーグに戻ってきたし、僕のチームメイトだった槙野智章もケルンから浦和に移籍した。彼らはJリーグとヨーロッパのリーグと の間にそんなに大きな差があるわけではないことをわかったと思う。これからの若手には挑戦して初めて気がつくのではなく、最初からそういうことがわかるよ うになってほしい」
この意見はあくまで“ヨーロッパからJリーグを選んだ人間”の立場から出たものであり、島国の日本がサッカー面でも異文化と交流するチャンスがな いことを無視している部分はある。ただ、“ヨーロッパのクラブならば、どこでもJリーグより上かのように語られる空気がある”という指摘は、筆者にとってもはっとさせられるものがあった。

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