さらにいい発表を目指したいという方のために、僭越を承知で、形式的なことについてのみ言うとすれば、
1)与えられた制限時間は守ったうえで、興味深い発表ができるのがプロ、
2)自分のフランス語の原稿を可能な限り繰り返し発音練習し、発音や読み上げといった「外的」な理由で聴衆の注意力を削がないようにする
ということでしょうか。もちろんどちらも難しいことですが(私たちにも常にできていることとは限りませんが)、よい研究者を目指すうえでは大切な心構えだと思います。
2012年10月13日(土) @東京・法政大学、58年館2階 国際日本学研究所セミナー室
PBJ
(Project Bergson in Japan) 第5回国際シンポジウム
反時代的考察
ベルクソンと19世紀フランス哲学
プレ・イベント:若手研究者セミナー
プログラム
15h00-15h20 北夏子(きた・なつこ): ベルクソンにおける健康の概念について——力についての一考察
15h20-15h40 木山裕登(きやま・やすと):ベルクソンの知覚理論における「一般性」概念について
15h40-16h00 岡嶋隆佑(おかじま・りゅうすけ):『物質と記憶』における実利的知覚の形成
16h00-16h20 橘真一(たちばな・しんいち):ベルクソンとシモンドン
16h20-16h40 川口茂雄(かわぐち・しげお):《責任‐ヨーロッパ》―― デリダと〈ヨーロッパという歴史〉への問い
16h40-17h00 全体討議
発表者紹介
北夏子(きた・なつこ): ベルクソンにおける健康の概念についてーー力についての一考察
筑波大学大学院人文社会科学研究科哲学・思想専攻所属。ベルクソンとスペンサーの思想の比較研究に関心を持っている。直近の論文は、「contracterからcontribuerへ」(『ホモ・コントリビューエンス研究』、第1号、ホモ・コントリビューエンス研究所、2011年)、「ベルクソン『創造的進化』第四章における絵画をめぐってーベルクソンとスペンサー」(哲学・思想論叢、第29号、筑波大学哲学・思想学会、2011年)。
木山裕登(きやま・やすと):ベルクソンの知覚理論における「一般性」概念について
東京大学大学院人文社会系研究科(哲学)博士課程在籍。現在は、ベルクソンの特に『物質と記憶』における知覚論・認識論に関心を持っている。学会発表として「ベルクソン『物質と記憶』における知覚と実在」(日仏哲学会:2012 年)がある。
慶應義塾大学大学院文学研究科哲学専攻修士課程所属。今年度、『物質と記憶』における知覚論にかんする修士論文を提出予定。主な関心は、ベルクソンやギブソン、ノエを中心とする直接知覚論および19世紀後半から20世紀初頭にかけての心理学周辺の科学史・科学認識論。
大阪大学人間科学研究科博士後期課程。日本でおそらく唯一G. シモンドンを専門とする院生。シモンドンは、現在自然哲学として読解するのが主流になりつつあるが、その先にシモンドンを生命の哲学として読む道を引き続き探求している。主な論文に「シモンドンにおけるトランスダクションの概念について」(『フランス哲学・思想研究』第17号、日仏哲学会、2012年)。昨年の若手セミナーでの発表をもとにした研究ノート「ジルベール・シモンドンにおけるinformationの概念について――ベルクソン受容という背景から照らした考察を中心に」(『年報人間科学第33号』、2012年)。直近の学会発表に「ドゥルーズとシモンドン」(第5回国際ドゥルーズ学会大会、米国ニューオリンズ、2012年)、「シモンドンにおける意味作用について」(エラスムス・ムンドゥス・ユーロフィロゾフィー学生ワークショップ、大阪大学、2012年)がある。
獨協大学非常勤講師.文学博士(京都大学)。主要著書:『表象とアルシーヴの解釈学 ―― リクールと『記憶、歴史、忘却』』、京都大学学術出版会、2012年、「Ⅳ 十九世紀フランス哲学の潮流」、『哲学の歴史 第8巻』、伊藤邦武(編)、中央公論新社、2007年、「没落のパトロン、ルートヴィヒ・フォン・フィッカー ―― ハイデガーとの往復書簡をめぐって」、『ディアロゴス』、片柳榮一(編)、晃洋書房、2007年.
主要訳書:ドミニク・フォルシェー『西洋哲学史 パルメニデスからレヴィナスまで』、白水社文庫クセジュ、2011年、ジャン・ルフラン『十九世紀フランス哲学』、白水社文庫クセジュ、2013年刊行予定.
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