Thursday, November 08, 2012

【クリップ】3大学、一転認可へ

大学不認可問題 田中文科相「3大学はいい宣伝になった」

産経新聞 11月7日(水)22時4分配信
大学不認可問題 田中文科相「3大学はいい宣伝になった」
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3大学側の猛反発で窮地に追い込まれた真紀子文科相(写真:産経新聞)
 「今回(の騒動が)逆にいい宣伝になって4、5年間はブームになるかもしれない」

 田中真紀子文部科学相は7日、不認可としながら一転して新設を認めた秋田公立美術大(秋田市)など3大学について、首相官邸でこう語った。不適切な発言との批判が出そうだ。

【図で見る】 大学設置認可までの流れ

 3大学への認可通知は「事務的に(行う)」とし、突然の不認可判断に始まる今回の混乱について自ら大学側に説明するかは明らかにしなかった。

 いったんは不認可とした判断については「私には日本の教育のあるべき姿についてイメージがあり、文科相を拝命して(役所の)中からだったらブレークスルー(突破口)をつくれると思った」と説明した。

 さらに「(大学の)経営者が代わって、借金ができたりしないように応援しないといけない」とも指摘した。


3大学、一転認可へ “真紀子劇場”正論と暴論

産経新聞 11月7日(水)7時55分配信
■すでに校舎建設「不思議」/受験生「かわいそうには当たらぬ」

 衝撃を与えた3大学の新設不認可決定から、わずか4日で認可方針へと転換を図った田中真紀子文部科学相。50人以上が集まった6日の会見では、正論あり暴論ありのまさに“真紀子劇場”となった。

 「大学の乱立に歯止めをかけて教育の質を向上させたい」

 田中文科相は冒頭、こう述べ、初めて大学設置・学校法人審議会の答申を覆し、3大学を不認可とした自らの判断に間違いがなかったことを、身ぶり手ぶりを交えて強調した。

 設置審の答申を尊重して認可するという、戦後長く続いてきた認可手続きについて「事なかれ主義」と切って捨て、自らが進んで「劇薬」となって改革に臨む姿勢をアピールした。

 田中文科相はまず、委員29人中22人が大学関係者で構成される設置審をやり玉に挙げた。「いい意見は出されるが、数カ月に1回しか開かれていない」と、委員構成に加え、議論時間の少なさも問題と指摘した。

 さらに、3月末までに大学新設を申請し、10月に設置審の答申を受けて認可され、翌年4月から開学となる現行システムについても「極めて不自然だと思っ ている」と疑問視。「認可されてから(校舎の)工事を始めるなり、教授を呼ぶなりというのなら分かるが、なぜかとっくにビル(校舎)が建っていて教授も確 保されている。不思議だと思わないか」とし、「どこかからサインが出てたんでしょうかね」と皮肉った。

 一方、暴論も飛び出した。3大学の受験予定者らに動揺が広がっていることについて「答申を受けて判断するのが大臣の職能。したがって『かわいそうじゃないか』という意見があるようだが、それには当たらない」と言い放った。

 また、3大学に落ち度はあったのか問われると「個別の大学のことは全然考えていないし、落ち度なんていう細かいところまでは分からない」と語った。

 田中文科相は約20分間で会見を自ら打ち切った後、会見場を後にしたが、「ちょっと誤解を与えたらしいことに今気付いたので…」と言いながら再び登場。 3大学について「全部、不認可ということではない」と改めて新基準で審査する意向を表明。「新基準が分かるように言おうと思ったら、質問が来たので混乱しちゃったんですけれど、混乱もしていませんけど…」と言って、質問が飛び交うなか足早に立ち去った。


田中文科相不認可問題 唐突すぎた「改革」、即時認可が筋

2012/11/07 00:57更新


 田中真紀子文科相が6日、新設不認可とした3大学について認可方針に転換した。文科相の事実上の敗北といえるが、増加の一途をたどる大学と教育の質低下を懸念し、認可制度改革を唱えたのは理解できる。
 政府の規制緩和と大学関係者中心の内輪の認可審査が大学の乱立を招き、経営悪化により解散命令が出されるような大学が顕在化した側面は否めないからだ。
 しかし不認可表明があまりに唐突だった上、論理矛盾を起こしていた。理由は「制度の見直しを先送りにしたままの新設は認められない」というもので、3大学には何の瑕疵(かし)もなかった。大学側が猛反発するのは当然だ。
 文科相の理想は「多様な意見を聞いて国民が新設の必要性を納得するやり方」というが、3大学のうちの秋田公立美術大は「東北唯一の公立系美大」、札幌保健医療大は「全国2番目の看護師不足地域克服」という明確な必要性があった。
 制度見直しも受験予定者の進路に影響を与える今年度ではなく、来年度で良かったはずだ。受験予定者には人生がかかっている。「検討会議で再審査」という“落としどころ”ではなく、即時認可が筋だ。(河合龍一)

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