Monday, March 11, 2013

3月上旬

3月1日(金) 午前10時~12時:ドイツ語勉強会(第1回:参加3人)、午後1時~2時半:デューラー研究者であられる下村耕史先生の最終講義を拝聴しに行く。午後3時~5時:フランス語勉強会(第3回:参加5人)。デリダ翻訳。

3月2日(土) デリダ翻訳

3月3日(日) ①パリシンポ準備、②3/11勉強会準備、③今秋シンポ調整。

3月4日(月) 午前10時~12時:ドイツ語勉強会(第2回:参加3人)、午後1時~3時:フランス語勉強会(第4回:参加3人)。事務作業。

常見藤代(つねみ・ふじよ)『女ノマド、一人砂漠に生きる』、集英社新書、2012年12月を読了。おおよそ知っていること、容易に想像できることがほとんどで、全体としてはあまり面白くなかった。
《しかし…私は、はたと気づいた。もしかしたら、私は自分の理想像を彼女に押しつけていただけなのかもしれない。(…)しかし現実の遊牧民は、それとはずいぶん違っていた。砂漠で一人たくましく生きていると思えたサイーダも、実は家族や同じ部族の人たちなど、他者とのつながりの中で生かされていた。その事実は、人は一人では生きられないというあたりまえのことを私に思い出させてくれたように思う》(245頁)
そんなことに気づくのに245頁かかったのか!(笑) たしかに、主人公の中年女性サイーダ(56歳)は、ラクダ一匹一匹や人間一人一人の足跡を見分けたり、普通の現代人からすれば驚くべきさまざまな能力を備えてはいるが、他方で、強固な血縁・地縁共同体に属している。定住地にいる人々は、携帯電話が登場するはるか以前から、砂漠にいる親族・近親者たちの所在地を実に的確に知っていた。離れ離れのように見える遊牧民たちは実に頻繁にコミュニケーションをとっている。そうでなければ、著者のような部外者が毎回、車に乗せてもらって、砂漠にいるサイーダに会いに行くことなどできなかっただろう。

ただ一つだけ、なかなか興味深い言葉があった。
《初老の男性は昔の遊牧生活を懐かしむ。「どこかに雨が降ったら、2か月とか3カ月間そこで暮し、別の所に降れば、そこへ行った。あの頃は自由があった。生活は今よりずっと快適だった。今は一か所にいるだけ。体は疲れないが、心が疲れる」

 ある女性の言葉は、彼らが置かれた状況を最もよく表しているだろう。「今は一つの場所にたくさんの人が集まっているから、問題が起こる。ずっと昔から、私たちは離れて暮らしてきた。でも心は近かった。今は近くに暮らしてても心は遠い。昔は女も一人で放牧して、一人で料理して食べ、一人で砂漠に寝て、一人で死んでいった。そして心はいつも穏やかだった」》(124頁)
いじめ問題やパワハラ問題など、現代日本の問題を見ているといつも思う。問題は「定住」なのではないか、と。人間関係のうちに流動性や離散性を適度に導入することが重要なのではないか、と。その意味では、ノマドたちは物理的な流動性や離散性は導入しているが、家族との精神的な絆はきわめて伝統的で安定的、不変のものである。したがって家族関係に関しては日本とは別種の問題を抱えている。

3月5日(火) ①デリダ翻訳、②パリシンポ準備、③3/11勉強会準備。

3月6日(水) コース会議、全体会議、研修会。

3月7日(木) 学内重要業務。学生の質問を受ける。来年度の授業準備。

3月8日(金) 朝10時~12時:仏語勉強会(第5回:3人)、13~15時:独語勉強会(第3回:2人)、事務作業

3月9日(土) 会議

3月10日(日) 勉強会準備

***

すぐ 単著邦訳

すぐ B&D政治仏訳

すぐ デリダ翻訳

すぐ 勉強会発表準備

すぐ パリシンポ発表準備

3/15  B-Fさらなる練り上げ

3月末 デジャヴ論文英訳見直し

***

3/15-16 パリ・シンポ「カタストロフィと人文学」

3/26(火)17:00-19:30 「人文学と制度」西山雄二・大河内泰樹・宮﨑裕助・梶谷真司・星野太とともに@東大駒場18号館4階コラボ1

3月末まで デジャヴ英訳論文の再チェック→入校

4月~6月 エラスムス

6月2日(日)仏文学会WS@ICU

6月22日(土) 社会倫理研究所2013年度懇話会《恋愛と結婚のあいだ――「いき」の哲学、所有と誓いの脱構築》@南山大学

9月29日(日) 哲学教育に関するシンポ@九州大学哲学会

11月上旬 パリシンポなど

No comments: