海外の研究者たちのお説を拝聴するのではなく、彼らと肩を並べて、彼らと同じように研究成果を発表し、日本の西洋哲学研究のあり方を少しずつでも変えていきたい。そう思って始めたPBJ(Project Bergson in Japan)と題されたプロジェクトも、いよいよ今年2013年の第6回で締めくくりである。
そこで、最終年度は、これまで私たちが日本で練り上げてきたスタイルの国際シンポジウムを、フランス・パリに日本人研究者たちが乗り込んでいってやることにした。
おそらく動員数的には惨憺たるものになるだろう。我々はクール・ジャパンではないし、kawaiiでもないのだから。だが、我々なりの戦い方で可能な限り戦い抜いたうえでの惨敗なら、それはそれでいいではないか。未来に種をまく先行投資的な負け戦というものもあるはずだ。
以前、同種のもっと小さな企画をした時もそうだったが、日本人留学生たちは、人気の哲学者や自分の指導教官の時だけ見に来て、さっさと帰ってしまう。驚くほど無邪気にエコノミックだ。一番大切なものを見逃していることに気づいていない。発表の中身を見て(というより厳密に言えば、彼らが見ているのは発表者の顔と顔色だろう)、「枠」の大切さを見ない。彼らは自分たちが保護されると同時に束縛されてもいる「制度」について、その可変性について、あまりに無邪気で、あまりに無自覚だ。
日程は11月6・7・8日、場所はおそらくENS。その後、9・10日は、関連イベントとして、リールで毎年行なわれているCitephiloにメンバー全員で参加する予定である。
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