Thursday, March 27, 2014

2013年度の学術的近況

ここ数年来の私の研究活動は、次の三つの軸を中心として展開されている。

1)ベルクソンを中心とする近現代フランス哲学・思想研究

2)結婚の形而上学とその脱構築に関する研究

3)哲学と大学の関係(哲学的大学論)に関する研究


2013年度(2013年4月から2014年3月まで)に出版された業績としては、著書(共著)が1冊、論文(口語体の採録)が1本、短い報告文1本であった。研究分野で言えば、1)が2本、3)が1本であり、使用言語で言えば、日本語が2本、英語が1本である。これは本数として少なく、改善していかねばならない。ただ、すでに印刷に回っている物(仏語の共著が1本)、これから必ず冊子化される論文(日本語の論文)があるので、それらについては着実に刊行していくつもりである。

【共著】 Kenjiro Tamogami (ed.), Fragments & Wholes. Thoughts on the dissolution of the human mind, Editions L'improviste, septembre 2013. ISBN 978-2-913764-56-9
     Collectif, article "Déjà vu: Force of the False and Idleness of Memory (Bergson or Deleuze III)", p. 81-112.

【論文】 「大学の時間」、2013年度人間学研究所主催公開シンポジウム「日本の大学、このごろ焦ってませんか?~『社会に役立つ大学』の価値を問う~」採録、『人文学研究所紀要』、2014年3月31日、67-100頁(うち実質的な担当部分:78-85頁)。

【報告】郷原佳以・藤田尚志・塚本昌則「来るべき修辞学――文学と哲学のあいだで」(2013年度春季大会のワークショップ記録
cahier 12(日本フランス語フランス文学会)、2013年9月、5‐9頁。


また、別記しておくべき業績としては、勁草書房HP上にて連載させていただいているベルクソン論が挙げられる。昨年4月から始めて、なんとかほぼ毎月続き、2月時点で第10回となった。だが、これらをまとめて上梓するはずの著書刊行の予定が大幅にずれ込んでおり、忸怩たる思いである。


2013年度に行なった発表業績としては、単独発表を7つ行なった。研究分野で言えば、1)が3本、2)が2本、3)が2本でバランスよく行なえたものと考える。使用言語で言えば、日本語が6本、フランス語が1本であり、もう少し外国語での成果発表を行なえればと願っている。

52. ベルクソンとレヴィナスの隠喩論
日本フランス語フランス文学会2013年度春季大会
ワークショップ《来たるべき修辞学――文学と哲学のあいだで》(塚本昌則先生・郷原佳以先生と共に)
(2013年6月2日(日)午前10:30-12:30、ICU・本館252教室) (口頭発表①、2013-2014年度)

53. 結婚における〈所有〉と〈誓い〉の脱構築―‐現代フランス哲学の視点から
社会倫理研究所2013年度懇話会《恋愛と結婚のあいだ――「いき」の哲学、所有と誓いの脱構築》(奥田太郎先生・宮野真生子先生と共に)
(2013年6月22日(土)午後14:00-17:30、南山大学・名古屋キャンパスR棟3階R32教室) (口頭発表②、2013-2014年度)

54. ソフィストの力(アレテー)――大学における哲学教育の問題
九州大学哲学会シンポジウム《哲学教育の危機をこえて》(古賀徹先生・須長一幸先生と共に)
(2013年9月29日(日)15:15-17:45、九州大学・箱崎キャンパス文学部4階会議室) (口頭発表③、2013-2014年度)

55. Au milieu du chemin. La double frénésie et la politiquePBJ2013 《Remarques finales. Autour des Deux sources de la morale et de la religion de Bergson》
(Les 5-8 novembre 2013, à la Maison du Japon dans la Cité internationale universitaire de Paris) (口頭発表④、2013-2014年度)

56. 大学の時間
2013年度人間学研究所(京都文教大学公開シンポジウム「日本の大学、このごろ焦ってませんか? ~『社会に役立つ大学』の価値を問う~」井上義和先生・藤本夕衣先生と共に)
(2014年2月11日(火・祝)14:00-16:30、キャンパスプラザ京都第4講義室) (口頭発表⑤、2013-2014年度)

57. 来たるべき結婚――フーリエを導入する
ワークショップ「”正しい”結婚――西洋近代から考える愛・性・家族の極限」福島知己先生・佐藤啓介先生と共に)
(2014年3月9日(日)10:00-18:00、福岡大学A棟A811教室) (口頭発表⑥、2013-2014年度)

58. 天使と散歩――日本における哲学思想研究の外国語によるアウトプットの現状と課題についての個人的な印象"Laboratory of Thinking. The international conference at Osaka University"
(2014年3月15日(土)11:00-18:00、大阪大学豊中キャンパス待兼山会館会議室) (口頭発表⑦、2013-2014年度)

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