先週末は仏文学会に参加してきた。
5/27(金) 夕方に到着。立川の駅の中のホテルに泊まる。映画が見放題ということで『おとうと』を見始めるが、途中で耐えられなくなり、挫折。山田洋次ってこんなにひどかったっけ??
中田秀夫の『インシテミル』は最後まで見たが、実にくだらない映画。「ダメな映画を盛り上げるために、簡単に命が捨てられていく」という流行歌の一節があったが、まさにそのとおり。『バトルロワイヤル』とか『ライアーゲーム』とか『カイジ』も同じ路線だが、株、FX、宝くじ、ロト…、〈賭博〉の一般化の影響だろうか。
同じように、カジノの場面が出てきても、ゴダールの最新作『ゴダール・ソシアリスム』(原題Film socialisme)は素晴らしい。パンフレットには、以前のように「美しい画面が奇跡的に出てきて映画にしてしまう」という戦略でなく、ハンディカムの粗雑なイマージュを使った新たな時代に突入した、みたいなことが書いてあった。たしかに荒々しい画面もあったけれども、美しさは十分に健在であると感じた。子どもの被選挙権に関する最後のくだりなんか、60‐70年代の政治的ゴダールへの回帰も思わせる。
5/28(土) 午前中は委員会出席。ちゃんと仕事もしてます。というか、大学でも研究でも、この手の仕事が多すぎる…。お昼はtさんとロージナ。昼から研究発表。第一部は、k君のド・メーストル、デリダのヴァレリー論、プルーストの「信念」論、プルーストとラスキン論。第二部は、ルソー『新エロイーズ』論二本、b君のブランシュヴィック論(!)。
s先生にお会いして、遅れている原稿についてお小言をいただく。本当にすみません…。
懇親会、いろんな人と話す。尊敬するmさんとも久しぶりに少しお話しできてうれしかったです。
ブログ見てます、と言われると、いまだにドキッとする。ごく数少ない友人に向けて書いているつもりなので…。いや、もちろん、どなたに見ていただいてもいいんですけど…。
二次会、nさんに誘われ、大人数の飲み会。ホテルに泊まるつもりが、どこも満杯で、結局、nさんの新居に泊めていただくことに…。
5/29(日) 朝、シンポに参加。「今、フランス語フランス文学に何ができるか」、大変興味深かった。プルーストの吉川先生、バルザックの柏木先生、ラブレーの宮下先生、フランス語の古石先生。司会のおっしゃるとおり「四番バッターを並べた」メンバーで、時間が全然足りない。芸達者というのはこういうことを言うんだろうなあ。一流の学者はさらっと喋らせてもいいこと言う。
お昼はgさんやtnさんと和やかにバーミヤンで。初めて少し長くtnさんとお話しした気がする。gさんもそうだが、頭のいい駒場の人たちというのは、自分とはまったく違う世界に生きているのだなあと改めて実感。
昼からワークショップに参加。フランス人たちの「最近の文学における植物への生成変化」に参加。「動物」がよく取り上げられる昨今だが、植物も重要である。私の質問は的確だった――不毛な批判ではなく、発表をさらに広い議論へつなげていくための質問――と思うのだが、発表者には今一つ通じていなかったようで残念。まあ、こういうことはよくある。さらに、クロスの精度をあげていかないと。
総会後、某出版社の某さんと自著の刊行について相談。別の出版プロジェクトについても少し話す。すべて苦しいけれども、まだ死んではいない。
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