「哲学入門一歩前」という(たしか廣松渉の)言葉は結構気に入っている。その理由については前にこのブログ(の前身であるHP)に書いた。
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来年の授業を練っている。担当する7コマで一つの哲学教育のcursusを構築できればと願っている。
1年次に基礎ゼミで思考訓練を施しつつ、哲学史(知識)と哲学概論(概念の操作)で哲学研究の基礎を学ぶ。
2年次にフランス近代思想史演習(デカルトとライプニッツ)
3年次にフランス近現代思想史(デカルトからデリダまで)・フランス現代思想史演習(ベルクソンとドゥルーズ)
4年次に卒論ゼミでまとめとしてのフランス思想・哲学研究
私の奉職する大学に限らず、昨今どこの大学の学生にも難しすぎる感じもするが、それはやり方次第かもしれないとも思っている。知の離乳食から通常の栄養摂取へ――少なくとも一年目は、周りの意見をいろいろ伺った上で、自分の思うような形で授業を展開してみたい。それでダメなら、さらに周りの意見を取り入れていこうと思う。
偉そうなことを言っても、私自身の鍛え直しが先決である。そういうわけで、最近は手当り次第に入門書とギリシャ哲学関連の著作を読みあさっている。
・中村雄二郎、『哲学入門――生き方の確実な基礎』、中公新書、1967年(氏42歳の著作)。
・松浪信三郎、『哲学以前の哲学』、岩波新書、1988年(氏75歳の著作)。
・中村雄二郎ほか、『思想史――歴史的社会を貫くもの』、東京大学出版会、第二版1977年(初版1961年)。
・ラッセル、『西洋哲学史1 古代哲学』、みすず書房、1970年(原書1946年、刊行時74歳)。
・熊野純彦、『西洋哲学史 古代から中世へ』、岩波新書、2006年(刊行時48歳)。
・ディオゲネス・ラエルティオス、『ギリシア哲学者列伝』全3巻、加来彰俊訳、岩波文庫。
・『シャトレ哲学史I ギリシア哲学』、藤沢令夫ほか訳、白水社、1976年(原書1972年、刊行時シャトレ47歳)。
・内山勝利、『哲学の初源へ――ギリシア思想論集』、世界思想社、2002年(刊行時60歳)。
・古東哲明、『現代思想としてのギリシア哲学』、ちくま学芸文庫、2005年。
個別の哲学者については数が多すぎるので省略。
2 comments:
中学校で同じクラスだった津田です。お久しぶりです。学部生のときに僕の下宿に一度、遊びにいらっしゃったことがあったかと思います。
このブログはちょっと前から拝読させて頂いていました。最後にお会いしたときにはそんな気配は微塵もなかったかと思いますが、気づけば僕も大学の人間となり、大学や学問に関する記述では身につまされる思いがいたしました。
ところで、今回のエントリからすると、来年度から常勤のポストに就かれるようで、おめでとうございます。
分野は違いますが、お互いに良い研究と教育のために研鑽を積んでいきたいものですね。
それでは、今後ともブログの更新を楽しみにしております。
懐かしい!と同時に照れますね、自分の中学時代を知っている人に今ブログに書いているものを読まれるというのは。でも、こうしてまた出会えるというのもブログのいいところなのかもしれません。ブログにはオープンにしませんので、ぜひメールアドレスなど教えて下さい。ではまた。
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