Tuesday, December 09, 2008

司会と通訳

司会と通訳を同時に出来る人は凄いなと常々感嘆する。講演の内容を理解し、的確な質問を組み立てようとすることと、講演の言葉を字義どおり別の言葉に置き換えていくことは、私にとってはまったく別の作業である。ベルクソン関係の講演会では「あなたが通訳(も)すればいいのに」とよく言われるが、それは無理だ。講演内容をトータルに考えず、質問をまったくしない、という前提であれば、通訳を引き受けてもいいが、それでは研究者としては非常にフラストレーションがたまる。司会のほうがましである。

しかし、司会は司会で難しいこともある。その一例。今日(月曜)の講演会、内容は非常に良かったが、司会は疲れた。通訳の方がその分野の専門家でない場合、司会が多少ヘルプせねばならないが、下手に介入すると、通訳のリズムが狂ってしまい、その後、グダグダになってしまう場合がある。その間合いを計っていると、司会として講演の意味内容にも集中できず、かといって通訳者がいらっしゃる以上、通訳に徹して言葉の翻訳に集中することもできない、というジレンマに陥ってしまう。司会の技術に関してはまだまだというところ。

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