Thursday, December 25, 2008

クリスマスに思う

タカシロツヨシさん(日本の芸能界的には話題の人ですなあ)のブログより。いいですね、無理な背伸びではなく、素直な背伸びの感じがします。ボキャブラリーが私のとまったく違うんで正確に理解できてるかどうか分かりませんけど。

《オーストラリア産の和牛!?ってのに、やられて第三位。なんでも、美味しい牛肉を日本は輸出禁止しているらしく(知りませんでした)、同じ品種で同じ育て方の牛を、広大なオーストラリアの牧場で伸び伸び育てているから、本家日本の和牛より美味しい、とのことだったので行ってみたら、本当に美味しかった。熟成日数の違いを選んで、色々食べられるのも楽しい。いま語るべきは、肉の部位ではなく、熟成期間と熟成手法ですね。[…]

東京はレガシーな食べ物は本当に美味しいが、あとは、画期的な新しい店の登場が待たれる。まだ、コンピュータが来てない国のようである。[…]いまや食の数式的アプローチや、食材のグローバリゼーションは、本当に興味深い。なぜ、スペインやイギリスの田舎で、日本の「梅こんぶ」の話になるのか不思議。なんで、そんなの知ってるの?逆説的だが、東京のレストランでも「コッツウォルズ地方のホメオパシー療法で育てられた牛」を出す店があったら、東京フードシーンも新しい時代を迎えられるだろう。次は手法や産地だけでなく、食材の育て方や教育、哲学までもが語られるようになると思う。東京のギットリとした二十世紀的焼肉カルチャーからの脱却が待たれる。》

フランス哲学研究でも同じで、日本では往々にして本格派のつもりが実は単なる引きこもりの閉じこもりだったりする。本格派をうまく(遮二無二ではなく)野に解き放て。「肉の部位」に関する旧態依然のつまらない訓詁学と、「熟成期間と熟成手法」を熟考する厳密な研究鍛錬の決定的差異。後者は「料理法」や「産地」だけでなく、「食材の育て方」や「教育哲学」にまで深く思い及んでいるのでなければならない。哲学・教育・政治の三位一体が重要だという相も変らぬ話である。

No comments: