Wednesday, January 14, 2009

地動説(成人式の後に)

UTCPで数日前に東アジアの若手哲学者の集いが行われたのだが、それに対する小林さんの感想より(本当は全文抜粋したいくらいだが)一部抜粋。まったくそのとおりである。

《学会は研究の共同体である。それが共同体になるためには、相互的な応答がなければならない。そのためには他人の発表を自分の問題として受けとめて「応答する」という責任が課せられる。そのことをどのくらい自分で果たしたのか、よく反省してみてほしい。自分が一方的に発表して、そこでもう「終わった」と思っている人は、実は、「共同体」には参加していないのだ

自分が「共同体」をつくるのではなくて、「共同体」に「甘えて」、そこで自分の発表だけを許容してもらう、という、日本の(?)悪しき旧習からもう自由になってもいいのではないか(もっとも「ないものねだり」の、あるいは単なる主観的印象や連想ゲームの質問やコメントも困ったものだが)。》

さまざまなイヴェントは常々若手に対して開かれたものであってほしいと願い、また私にできうるかぎりでそのために尽力してもきたのだが、なんと若手のほうは案外、英語やフランス語で発表し議論する機会を与えられることを大してありがたいこととも思っておらず(別にありがたいと思ってもらわなくて結構だが、最低限その意義は理解してもらわなければ困る)、むしろ迷惑にすら感じており、こんなことであれば参加しないという意図を彼らの間で漏らしているのだという。彼らの「自然」で「正常」な発展(!?)から逸脱することは厳に慎みたいのだそうだ…上に引用したのと正確に同じ挙動を往々にして示す若手たちが、である。成人式の後に、言うべき言葉が見つからない。

このブログを読んでくれている私の友人たちには信じられないことであろうが、このような完全に閉じた世界観が未だに執拗に息づいているのである。

友よ、それでも地球は動いている…。あなたがたの力添えが必要なのです。

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