Tuesday, January 27, 2009

プロデューサー目線

そういえば、昨年の7月末にこんなことをメモしていた。

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プロデューサー目線というのは学問の世界でも重要だと感じている。「結局、最後は自分の仕事」、それはそうなのだが、そしてそれを放棄するつもりもまったくないのだが、業界全体とまではいかなくとも、自分の関われる範囲で「よりよいやり方」「よりよい仕組み」作りにささやかながら寄与できればと願っている。もう十何年前だと思うのだが、宮崎駿監督がテレビでテレビアニメの制作システムを批判していたことを覚えている。

プロデューサーということが必ずしも権力志向のフィクサーを意味するわけではない。そのことが理解されないうちは、シンポでも学会でも研究会でもうまく機能するはずがない。



--今後のジブリはどのような作品を作っていく予定ですか。テレビへの進出などは
鈴木 ジブリには、長編劇場版アニメ用のスタッフしかいないので、劇場版アニメしか作れないんですよ。あくまで目安ですが、原画マンは5秒のカットを描くのに一週間かかります。これを1年間続けたら、一人の原画マンが描ける量というのは2時間の作品中4分しかない。でもこれがジブリのクオリティー。このやり方だと、毎週納品に追われるテレビはとてもじゃないけどできないし、そもそも作り方の前提が違います。それに私自身がやっぱり、劇場版アニメ、つまり映画の方が面白いんですよ。

--ジブリの若手スタッフはどう育成されているのですか
鈴木 2年に1度、公募でスタッフを募り、それぞれの部署の責任者が採用を決めます。その後、カリキュラムを組んで、ジブリの仕組みや基礎知識を覚えてもらうという形で育成していきます。こうなるとプロデューサーと作家という関係ではなく、社長と部下という関係になるので、事あるごとにいろいろな話はしていますよ。年齢はバラバラで、制作部の人間には18歳で入ってきて、まだ20歳という若いのもいます。力さえあれば年齢なんて関係ないんですよ。自分では相当面白い場所を提供しているつもりなので、それをどう生かすかは彼ら次第。ただ、宮さんや高畑さんに逆らうというか、正面切って戦おうとする若者はさすがにいない。

--どのような若手を育てたいですか
鈴木 アニメーターというのは職人です。職人というのはどこまで高いレベルを保って仕事をできるかということが大切なんです。同じ仕事を高いレベルでやり続けることが職人として育つと言うこと。アニメーターなら、観察して描く。これを繰り返すしかない。人の動きも何かもです。若いときに腕を磨くことに没頭できる環境があれば理想的ですね。基本さえできていれば何でもできるようになりますから。逃げ出さずにやり続けてほしいです。(2007年11月10日)

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