Monday, October 04, 2004

ミショー、『アジアの野蛮人』(1933)

Henri Michaux, Un barbare en Asie (1933), édition revue et corrigée, Gallimard, 1967.

アンリ・ミショーがアジアに旅立ったのは1931年、1899年生まれだから、三十二歳であった。インドについての130頁が最も長く、次いで中国の50頁、日本は20頁ほどで、マレーシアの17頁といい勝負である(インドネシアについてのごく短い記述もある)。最後の改訂版(1967年)への「新たな序文」では、日本、中国、インドの順で「昔とは全く変わってしまった」と言われている。高度経済成長による世界的な(むろんまたミショーの中での)日本像の変化だろうか。すでに20世紀初頭に、いや日露戦争以前に、日本に注目していたヴァレリーとは全く異なる「想像のアジア」がここにはある。 « Asie imaginaire » とでも呼ぶべき本が、ガリマールのL’imaginaireという文学系叢書から出るというのは、「まさにこれしかない」という感じがする。

この本を読んでみたいと思ったのは、私なりの日本(の思想)論、「exotismeの脱構築」に使えないかと思ったからだ。

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