Tuesday, October 26, 2004

ラシュリエとアムラン

Lachelier, La nature, l’esprit, Dieu, textes choisis par Louis Millet, Paris, PUF, coll. « Les grands textes. Bibliothèque classique de philosophie », 1955.

Hamelin, Le Système du savoir, textes choisis par Louis Millet, Paris, PUF, coll. « Les grands textes. Bibliothèque classique de philosophie », 1956.

このシリーズは、大哲学者たちの複雑・膨大な哲学体系をできるかぎりコンパクトに再構成するような形で編まれたアンソロジーを提供しようとするものである。ドゥルーズ編集によるベルクソン『記憶と生』(原書1957年、前田英樹訳、未知谷、1999年)も、元はこのシリーズから出ている。

超メジャーな哲学者たち、たとえばデカルトの或るアンソロジーを他のシリーズのアンソロジーと比べるのも面白いかもしれないが、哲学者別に編まれたこの手のアンソロジーで最も興味深いのは、なんといっても他のシリーズでは扱われていないような「マイナー」な哲学者たちのセレクションである。このシリーズで言えば、上に挙げた二人もそうだし、クルノーだとかルヌーヴィエだとかいった存在もそうである。「マイナー」と鈎括弧をつけたのはむろん、ラシュリエもアムランも彼らの生前は高名であったわけで、現代的な興味関心の尺度の「偏り」に注意を喚起しておきたいからである。それにしても、1950年代中盤になぜラシュリエやアムラン?という驚きはある。

それはともかく、この二人の巻を担当しているのは、同じルイ・ミレーという人物である。身分に関してはアグレジェであるとしか記されていない。タルド研究の先駆的存在であるミレーかとも思ったが、あれはJean Miletであった。

No comments: