Tuesday, October 26, 2004

オクターヴ・アムランの生涯と著作

オクターヴ・アムラン(Octave Hamelin)は、1856年、Lion-d'Angers(Maine-et-Loire)生まれ。複数の中等教育機関で、次いで高等教育機関で(ボルドー大学文学部、ENS、ソルボンヌ)哲学を教える。博士号を取得して程ない1907年9月8日、溺れていた二人の人を助けようとして死去。享年51歳であった。アムランは、ラシュリエより24歳年下、ベルクソンより3歳年上である。

アムランの生前に刊行された著作は、博士号取得主論文と副論文の二冊しかない。しかも、どちらも一般的な形で刊行されたのは、死後数十年を経てからのことである。

Essai sur les éléments principaux de la représentation (1907), 2e éd. avec références et notes édité par André Darbon, Alcan, 1925 ; 3e éd. PUF, 1952.
Aristote, Physique, liv. II, traduction et commentaire (1907), 2e éd. Vrin, 1931.

論文に関しては生前に刊行されたものが十数本ある。帰納法に関するもの(ラシュリエの弟子としての面目躍如といったところか)、哲学史上のさまざまな問題に関するものが多い。それ以外には、1902年5月21日にFédération bordelaise de la Jeunesse laïqueの聴衆を前に行われた講演を収めた32頁の小冊子、『知育による徳育L'éducation par l'instructionがある。

死後刊行されたものとしては、次のものがある。
1910年、エピクロスの手紙(ヘロドトス宛、ピュトクレス宛、メノイケウス宛)を敷衍しつつ翻訳したもの(traduction paraphrasée)、E.デュルケムの手により、Revue de métaphysique et de morale, 18e année, n°3 bis (numéro supplémentaire).に発表。
1911年、『デカルトの体系Le Système de Descartes、1903-4年度にENSで行われた講義の講義録(アムランは講義をすべて執筆していた)、préface d'Emile Durkheim, publié par Léon Robin(レオン・ロバンは高名なプラトン研究者)で、アルカン書店から刊行。
1920年、『アリストテレスの体系Le Système d'Aristote、1904-5年度にENSで行われた講義の講義録、publié par Léon Robinで、アルカン書店から刊行。
1923年、「アリストテレスの道徳論La Morale d'Aristote」、Revue de métaphysique et de morale, pp. 497-507. 「ある点で先の著作を補うもの」であるらしいが、ミレーはどの点であるかを明記していない。
1927年、『ルヌーヴィエの体系Le Système de Renouvier、1906-7年にソルボンヌで行われた講義の講義録。 publié par P. Mouy chez Vrin.
1953年、『アリストテレスとその注釈者たちによる知性理論La Théorie de l'intellect d'après Aristote et ses commentateurs、Bibliothèque Victor-Cousin (Sorbonne)に保管されていた草稿に基づき、publié par E. Barbotin chez Vrin.1906年に執筆されたものと推測されている。

その他未刊のアムランのテクストのいくつかの次の著書に部分的に引用されている。
René Le Senne, Le Devoir, Alcan, 1930.(アムランの書簡の引用)
L.-J. Beck, La Méthode synthétique d'Hamelin, éd. Aubier, s.d.[1935].(未刊テクストの引用)

この他にも多数の完全に執筆された講義録が上記図書館に保管されているが、いずれも未刊。これらの書誌情報に関しては、ナベールによる報告が1957年のLes Etudes Philosophiquesに。

さらに時代を下ると、
1978年、Sur le "De Fato", publié et annoté par Marcel Conche, Villers-sur-Mer : Editions de Mégare.
1989年、Fichte, cours d'Octave Hamelin et cours de Henri Bergson, introduction de Fernand Turlot, Strasbourg : Association des publications près les universités de Strasbourg, n°spécial des "Cahiers du Séminaire de philosophie", 7.
1990年、Aristote, La nature : Physique, livre II, trad. d'O. Hamelin, introd. par Jean-Claude Fraisse, Paris : Hatier, coll. "Profil philosophie" Série Textes philosophiques 755.
1990年、Épicure, Lettres, trad. d'O. Hamelin, rev. et corr., présentation et commentaires, Jean Salem (1952-), Paris : Nathan, coll. "Les Intégrales de philo" 5.
2000年、Épicure, Lettres et maximes, trad. du grec par Octave Hamelin et Jean Salem, Paris : EJL[=Ed. J'ai lu], coll. "Librio" 363.

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