Tuesday, October 26, 2004

ルターとメディチ家

この間、追悼企画として Arte でD'aieullers Derrida をやっていたので、偶然見ることができました。

あの映画、私も見ました。EHESSでだったかの講義風景の中に知ってる日本人がいたりして、やっぱ「パリのソルボンヌあたりうろついてるフランス現代思想好き日本人」って感じで恥ずかしいなと(冗談です。むろん真剣にフランス現代思想と格闘している方々も大勢いらっしゃるし、その中の数人は私たちの共通の友人でもあります)。昨日のarteの特集は、「ルターとメディチ家」でしたが、ご覧になりましたか?結構つぎはぎっぽい(無理やりくっつけたっぽい)構成でしたけど、ルターの生涯を描いても、「個人の解釈の自由を唱えつつも、後に権威主義に悪用される要素が彼の思想の中に存在するのだ」とちゃんと問題点を指摘しているあたりは、最低限の批判的視点を保持しててよかったです。
 ラクー=ラバルトは、マルクス的な「批判」の伝統は、その「脱構築」的派生形態まで含めて、ルター的プロテスタンティスムに由来すると考えているようなのですが、ナンシー的な視点から言えば、ルターもまたカトリック的「キリスト教の脱構築」を行なった一人だということになるのかな、などと夢想に耽りながら見ておりました。

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