Monday, October 04, 2004

ルーディネスコ、『現実界のディスクール』

Elisabeth Roudinesco, Un discours au réel. Théorie de l’inconscient et politique de la psychanalyse, Maison Mame, 1973.

ルーディネスコは、日本でもラカンの伝記や、デリダとの対談本で有名。本書は彼女の処女作のはず。裏書を見ると、「パリ3の非常勤講師。EFP会員。Action poétiqueという雑誌の編集委員」と書いてある。表題はUn discours du réelではないので訳しづらい。ともかく副題は「無意識の理論と精神分析の政治」。背表紙「本書は、階級闘争に関する精神分析的イデオロギーを批判すること、無意識の理論に関するマルクス主義的イデオロギーを批判することを目的としている。間主観性と無意識-言 語というラカンの二つの提案を理論的に位置づけようとする本書は、言語科学の歴史的に規定された一時代の所産を参照しつつ、(心理社会学によって再び取り 上げられた)個人/社会を区分する実証主義的公理を批判し、観念論的哲学と心理学と心理療法的知見がその中で手を結ぶ想像的自我からの主体の脱出を可能に する」。マルクス主義と精神分析を同時に批判するというアイデアは、ドゥルーズ=ガタリの側だけでなく、ラカニアンたちの側にもあったわけだ。ちなみに同じコレクション« Repères »の同じsérie « Sciences humaines et idéologies »には、Michel de Certeau, L’Absent de l’histoire.別のsérie « Linguistique »には、Jean-Claude Milner, Arguments linguistiquesが見える。

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