Tuesday, October 19, 2004

第四次『批評空間』

ちゃんとしたものの書ける書き手を欲しがってると思いますよ。

いずれそう言われるように、今は基本的なことが確実にかつ簡単にできるようになりたいですね。コンスタントに上質の論文が書けること。そのためには、まだまだやらなきゃいけないことがたくさんありすぎて。自分のbassesse d'espritを改善していかないと。

『前夜』

ssさん、それ、私も以前、某MLで紹介しましたよ(笑)。

おそらく第四次『批評空間』は実現しないでしょうし。

それに、やはりそろそろ私たち自身の手で新たな動きを作っていかないとね。浅田さんにも柄谷さんにも欠けていることはあるわけだし。柄谷さんに関して言えば、何年も前から言ってますが、福田和也の-もちろん私は福田和也には全般的に否定的ですが-「柄谷行人氏と日本の批評」(『甘美な人生』所収)の批判が白眉ですね。福田があそこで言ってることはすべて当たってると思います。

浅田さんについては、デリダ追悼で「要約に抵抗する哲学を貫いたことは賞賛に値する」って、「お前が言うな!」ってどっかで突っ込まれてたけど、私は結構いいとこついてると思うな。分かりやすい言葉で哲学を「乱暴に要約する」ことは、理解不可能な言語で哲学を韜晦に語り続ける一部の講談哲学や、日常言語で「私の人生哲学」を語るジャーナリズム哲学――「イチローは現代の武蔵」と語る自称「哲学者」とかね(笑)――と、悪い形で相補的に「日本の思想」を形成している。いずれも本質的に「哲学」を拒否することで成り立っていると思うんですね。

デリダ関係の情報ありがとうございました。この間、追悼企画として Arte でD'aieullers Derridaをやっていたので、偶然見ることができました。
あ、ssさんもarte見られるんですね(mgさんは見てらっしゃらないようだったから)。だったら、私が最近気に入ってる番組をひとつご紹介しておきましょう。毎週日曜日の午後8時から15分ほどやってる"Karambolage"という番組です。フランスとドイツの文化習慣の違いなどをきわめてミニマル(日常的)なレベルで-フランス人がpetits riensと呼ぶものですね-紹介しようというのが基本コンセプトですが、仏語と独語の相互影響の歴史を毎回ひとつ紹介してくれるので、きっとssさんの興味を引くのではないかと思います。ぜひご覧ください。
http://www.arte-tv.com/fr/connaissance-decouverte/karambolage/104016.html
これまでの回もすべてサイト上で見られるようです。

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