Monday, April 27, 2009

思考と体格(と政治経済)

塩野七生(ななみ 1937-)の『ローマ人への20の質問』(文春新書、2000年)より。

《発掘した人骨の研究によれば、ローマ帝国盛期の体格に戻るのは、中世の一千年を経て後のルネサンス盛期になってからなのです。体格は生活水準の反映でもある。ローマ時代の部屋が広々としているのに中世の部屋が狭いのは、そこに住む人の体位に適合するように造られたからでしょう。そして、体格の良かったローマ人が生きていた時代の半ば以上は、悪帝とされる人々が統治していた時代だったのですよ》

思考はどうなのだろう。思考と体格(と政治経済)。「健全な肉体に健全な精神が宿る」が完全に誤っているということは、「思考と体格には何の関係もない」ということを必ずしも意味しない。

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