ヤロスラヴ・ペリカン(Jaroslav Pelikan, 1923-)『ルターからキェルケゴールまで』(高尾利数訳)、聖文舎、1967年。
この著者の名はどこかで見覚えがあると思っていたが、ヤーロスラフ・ペリカン『大学とは何か』(田口孝夫訳)、法政大学出版局、1996年。
前者の「あとがき」によれば、1962年秋、ライフ誌で「現代アメリカの最も重要な百人」に、プロテスタントとカトリックの対話に関するプロテスタント側の権威者の一人として選ばれた由であるが、この本をもってその実力を味わうことはできなかった。
なんというか、骨と筋だけのがりがりに痩せ細った本である。例えば、「キェルケゴールは、ルター以後、実存的洞察を、生きた批判的哲学に建設した最初の偉大な思想家なのである」とか、「ルター派神学がこれまで結びついてきた他の多くの哲学と比べるならば、キェルケゴールの哲学はルター派神学に語るべき多くのことをもっている」というのだが、肝心の論証がない。これでは、表題から予測されることを一歩も出ていない。
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