25日の夜、それほど遅い時間ではなかったのだが、AFの家に泊めてもらう。巨大なカテドラルが聳えていて、二階の窓から見渡せる。しばし静かに語り合って、就寝。
26日(水)。AFは朝8時半から授業だということで、7時起床。なんと哲学専攻の学部3年生向け「講義」は、4時間!8時半から12時半まで…。この学年は(ストの影響などもあり)人数が少なく10人ということもあるのか、「講義」だが、ひたすらゆっくりスピノザの『エチカ』を読み進めていくのだという。いやはや、すごい…。最初にしっかりイントロをやってから入るのかと訊くと、「いや、それをやってしまうと、学生たちが読解格子を手軽に入手して、あとは「読む」という作業をしなくなるから、マシュレのようにいきなり地道に読むという作業をさせるつもりだと言っていた。
ちなみに、私たちの間では、マシュレの評価は高い。これは直接教えを受けた者の影響だろう。地味と言われようが、無味乾燥と言われようが、平凡と言われようが、それらの非難をすべておおむね承諾したうえでも、それでも彼には魅力がある、としか言いようがない。そういうものだ。
講義の話に戻ると、気になるのは、学生のモチベーション。学生はついてくるのかと言ったら、ちゃんとついてくるよ、と。実態はどうなのか、無理を承知で、今度授業を見せてもらうことにした。昔から言っているのだが、フランスにおけるこの種の基礎的な哲学教育に関する知識とか経験を持っておくことは、自分の研究対象に関する最新情報を入手するのと同じくらい、あるいは場合によってはそれ以上に、大事だと思う。
そして、ふたたび本問題。なぜこの問題を解決するのにこれほど時間がかかるか分からないが、とにかく一日経っても何の返事もないので、大学の事務方に助太刀をお願いした。
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