Sunday, February 12, 2012

病のイメージ





病気にはイメージというものがありますね。


例えば、「うつ」は、昔は難しかったかもしれませんが、最近では映画にできるようになった。《ツレがうつになりまして》など。

では、アトピーはどうか?非常につらいものであるにもかかわらず、また非常に多くの方々が罹患しているにもかかわらず――数十年前までは子どものかかる病気と言われていましたが、最近では高年齢化しており、また世界的な広がりを見せているようです――、ドキュメンタリーならともかく、映画化は非常に難しいように思います。イメージ(=見た目)がよくない、見せたくない、見たくないものです。罹患していない他の方々にとってというよりも、アトピー患者自身にとってまずそうでしょう(というか、私個人はあまり見たいと思わないかなあということです)。

かゆみというのは、非常に人に伝えづらい(これは、うつも同じだと思いますが)。自分がどうつらいかが他人にわかってもらいにくい。



また、効果的な治療薬と言われている「ステロイド」に関して激しい論争があるのです。「体制側=日本皮膚科学会(+製薬会社)」の側に立てば、「副作用については、医師に確認しながら治療を続けていけばなんら心配する必要はありません」ということになります。もちろん、彼らとて、「薬には何の問題もない」とはさすがに今は言いません。「医師を信頼すれば大丈夫」と言っているのです。

しかし、できるかぎり中立的に考えたとすると、こういうことになりそうです。「ステロイドの正しい知識」より。

ステロイド外用薬は、そもそもアトピー性皮膚炎を完治させるための薬ではなく、炎症がひどく保湿剤では症状をコントロールできない場合に、期間を限定して炎症を鎮めるために使用するための薬です。

そして、ご存知の通り、様々な副作用があるため、正しい知識を持たずしてむやみに使用することは確かに危険といわざるをえません。

しかし、塗る箇所や症状の度合い、また、顔や腕などによる吸収力の違い、そして、使用期間の限度や使用を中止する際の方法などを考慮して正しく使用すれば、副作用を発生させることなしに使用することも可能なのです。

今日、マスコミや民間療法によって作られたステロイドに関する様々情報が氾濫するなか、患者の不安と混乱をなくすため、ステロイドに関する正確な知識は、医者が患者にきちんと説明すべきなのですが、そのような医者が数少ないことも事実です。

それらの状況から自分自身の身を守るためにも、私たちは、ステロイド外用薬の薬効や副作用などの知識を自ら持って、その上でステロイドを使用するかしないか、また、使用するならば、いつどのように使用するかを冷静に判断していく必要があるのです。

そして、最終的にはステロイドを使用しないでも症状をコントロールできる技術を自分で身につけることが最善の治療法なのです。
つまり、「副作用については、医師に確認しながら治療を続けていけばなんら心配する必要はありません」(体制側)が、「ステロイドに関する正確な知識は、医者が患者にきちんと説明すべきなのですが、そのような医者が数少ないことも事実」であるとすれば、患者は自分で正しいと思う道を探すほかはない。他のあらゆる病気でも、原理的には同じはずですが、アトピー治療におけるステロイド使用に関しては、「自立」「自律」「自己選択」「決断」を求められる度合いが高いように感じています。
 
というわけで、試行錯誤しつつ、家から一歩も出られない苦しい状況が続いていました。オーバーだと思われるかもしれませんが、『エクソシスト』のように悪魔と対決している感じです。苦しく、憂鬱で、惨めな一週間が終わり、ステロイドを使わないで、ようやく少しずつ回復しつつあります。

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