Sunday, November 06, 2011

哲学的「還元」

立命館のとある先生から聴いたのだが、
今度立命でやるシンポは、学外の学生たちにも発表呼びかけをして、
応募してきた人たちを平等に審査して、受かったら、旅費まで持つそうだ。

学生たちの学費で大学が成り立っているとしても、
決して学内の学生たちも優遇しないという方針を堅持する。

学生へのそういう眼差しこそが学生を育てるんだという信念。
学生を信頼するってそういうことだと思う。

学生(の親)が出すお金はすべて、学生に「直接的に」「目に見える形で」「経済効果として」還元されるべきだという考えは、おそらく、さまざまな欠陥を持っている。

子どもには競争をさせない。おててつないでみんなでゴールというヴィジョンも、決して満足できるものではない。

「対費用効果」という概念をより厳密に捉えるべきであるのは、
市場原理主義者たち自身だろう。

学生に「還元」するとはどういうことか。何を、どのように、「還元」するのか。

現象学的還元ならぬ、哲学的な「還元」の概念に思いを致す必要がある。

No comments: