だが、これでもなお、大学は「就職率」にこだわり続けるのか。すぐにやめる会社に必死で就職させるために、貴重な、二度と戻ってこない「大学の時間」を費やさせていいのか。
何度でも繰り返す。大学が養うべきなのは、目の前の、小手先の、「就職戦線」を突破する技術だけであってはならない。シューカツに落ちこぼれようがどうしようが、たくましく、その後の数十年を生き延びていく力こそが最重要に考え抜かれるのでなければならない。
「学士力」とは、考える力とは、まさにそのようなものでなければならない。政府および産業界は、首尾一貫しなければならない。国や企業をカミカゼ精神の「企業戦士」で一杯にしたいのか、国が傾こうが企業が潰れようが、とにかくしぶとく、笑いながら、生き延びていける「人間」に育てたいのか。それを「大人」が、「強き者」たちが、率先して選ぶべきなのだ。
大卒正社員、3年で20万人離職…政府推計
読売新聞 3月20日(火)9時39分配信
政府は19日開いた「雇用戦略対話」で、大卒の2人に1人、高卒の3人に2人が、無職や非正規雇用だったり、3年以内に仕事を辞めたりしているという推計を報告した。推計によると、2010年3月に大学・専門学校を卒業(中退を含む)して社会に出たのは77・6万人。このうち正規雇用で就職したのは56・9万人で、正規雇用となっても約3分の1の19・9万人は3年以内に辞めるとみている。
卒業した若者のうち14万人は、無職だったり、アルバイトなどの非正規雇用に就き、6・7万人が中退するとした。
中退者や早期離職者、無職、非正規雇用に就いたのは計40・6万人(52%)に達する。高卒は一段と深刻で、35万人のうち23・9万人(68%)にのぼる。
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